Science

  • 2019.04.19
  • Science

Science(4月12日号)Comment from Japanese authors

20190419_6436_cover-source.gifScience, 12th April 2019 (Volume 364, Issue 6436)
http://science.sciencemag.org/content/364/6436

Comment from Japanese authors

Science(4月19日号)に掲載された日本人著者の方よりコメントをいただいております。

Sustained rescue of prefrontal circuit dysfunction by antidepressant-induced spine formation
ケタミンによる前頭前野のスパイン生成はうつ症状の長期回復を起こす
ケタミンは長期抗うつ作用を示す。今回、ケタミンは前頭前野でスパイン生成が起こし、これを光プローブ(paAS)で消去すると抗うつ作用が消失したので、このスパイン生成が長期抗うつ作用を担うことがわかりました。
(東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 構造生理学、東京大学 国際高等研究所 ニューロインテリジェンス国際研究機構 河西 春郎 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/eaat8078

Electron-phonon instability in graphene revealed by global and local noise probes
大域的および局所的なノイズプローブによって明らかにされたグラフェン中の電子‐フォノン不安定性
私たちはグラフェン電子デバイスにおいて、電子-フォノンのチェレンコフ不安定の出現で理解される大きな非平衡電流ゆらぎを見出しました。この結果は2次元材料によりチューナブルなテラヘルツ波発生や能動フォノニック素子が可能であることを意味します。
(物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 渡邊 賢司 様、谷口 尚 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/154

Quantum-critical conductivity of the Dirac fluid in graphene
グラフェンにおけるディラック流体の量子臨界的な伝導度
私たちは清浄なグラフェンにオンチップに組み込んだテラヘルツ分光法により、ディラック流体の特徴である急激な電子−電子散乱と、異なる散乱過程により緩和する二つの異常な導電モードを観測しました。これらの結果によりグラフェンの量子臨界と中性点近傍の異常な電子励起のダイナミックスを明らかにしました。
(物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 渡邊 賢司 様、谷口 尚 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/158

Measuring Hall viscosity of graphene's electron fluid
グラフェンの電子流体のホール粘性度を測定する
私たちは、グラフェンに印加した磁場中で電子の粘性効果に敏感な特別な配置を取ることにより、ホール粘性を測定することに成功しました。この現象は長い間理論的には知られていましたが、初めて実験的に見出したものです。
(物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 渡邊 賢司 様、谷口 尚 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/162

Evidence for hormonal control of heart regenerative capacity during endothermy acquisition
内温性獲得に伴って生じるホルモンによる心臓再生能力の制御
内温性の獲得と引き換えに、心臓の再生能力の消失が生じるという、再生能力制御メカニズムの根本的理解に迫りました。驚異的な自己治癒能力を持ったスーパーヒーローの誕生も近いかもしれません!
(Cardiovascular Research Institute, University of California, San Francisco 廣瀬 健太朗 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/184

Deubiquitinase USP10 regulates Notch signaling in the endothelium
脱ユビキチン血管新生過程において、Notchシグナルが血管網構築パターンを決定しており、その活性は緻密に制御されています。本研究では、USP10がNotchシグナルの新たな制御分子であることを見出し、血管内皮のNotch活性はその脱ユビキチン化修飾によって調節されていることを明らかにしました。
(Angiogenesis & Metabolism Laboratory, Max Planck Institute for Heart and Lung Research / 札幌医科大学 脳神経外科学講座 杉野 寿哉 様)
https://science.sciencemag.org/content/364/6436/188

ページの先頭へ