2025 NOSTER & Science Prize Winners 第6回「NOSTER & Science Microbiome Prize」授賞式開催 マイクロバイオームの未来は京都から

2025.10.15

  • コラム

第6回「NOSTER & Science Microbiome Prize」受賞者 

https://kyodonewsprwire.jp/release/202508284241

2025年10月10日、Noster株式会社とScienceが共同で設立した「NOSTER & Science Microbiome Prize」(世界中の若手マイクロバイオーム研究者を支援する奨励賞)の第6回目授賞式が京都東山のザ・ソウドウで開催された。グランプリ受賞はDjenet Bousbaine博士、ファイナリストはAyele Denboba博士とMohammad Arifuzzaman博士。Bousbaine博士の研究は、皮膚の常在菌に対する免疫反応から特殊な免疫システムを発見し、非侵襲的な新しいワクチン戦略への可能性を切り開いている。Ayele Argaw-Denboba博士は、父親の腸内細菌叢の乱れが、将来生まれる子どもの健康に大きな影響を与えることを発見、またMohammad Arifuzzaman博士は、特定の食物繊維の摂取による腸内細菌代謝物の変化に着目し、個別化栄養や新しい治療法の開発に貢献する可能性を示唆している。それぞれ、未来の医療につながる興味深い内容である。
詳しくはScience誌(7/3号)において発表されている。

2020年に創設された「NOSTER & Science Microbiome Prize」は京都に本社を置くNoster社が協賛している。日本企業がスポンサーとなった初めてのScienceの賞で、Microbiome(腸内細菌を含む微生物叢)分野の若手科学者をサポートし、研究の発展を通じて、人びとの健康に寄与するが目的である。
9日、Noster本社で本年度の受賞者、昨年の受賞者含む関係者を交えてシンポジウムが開催され、Microbiome研究の治療につながる可能性について大いに盛り上がつた。

Science/AAASからはシニア・エディターらが来日した10日の授賞式には、京都府知事もスピーチをされ、京都から世界に発展する研究にかける期待と意気込みが伝わってきた。
式典には様々なこだわりが取り入れられ、蒔絵のトロフィーだけでなく、前回の受賞者が今回の受賞者に渡すバトンも京都の職人技の傑作である。名前を刻むボードも、職人の気合いが伝わる重厚な作品である。

毎回感激するのは、受賞者を選定する審査コミッティーの眼の鋭さだ。中心的役割を担うシニア・エディターのCaroline Ashにもいつも敬服する。1000語(英語)のエッセイで判断するとのことであるが、毎回素晴らしい若手研究者の顔ぶれである。プレゼンも素晴らしい。聴かせる、訴える、感謝する、このパフォーマンスだけでも価値がある。
日本からの受賞者は過去ゼロ。昨年はスタンフォード大学(現ハーバード大学)の永島一樹博士がグランプリだったが、米国からの応募であった。今年も日本からのエッセイ応募はゼロだった。研究者にとって論文より自らの研究をアピールするエッセイは難しいのかもしれないが、研究も、伝えてなんぼ、である。来年こそは、日本からも自己アピールができる研究者からの応募を期待したい。

昨年もそうだったが、今年もグランプリを受賞者は赤ちゃんとパートナーが同行だった。6ヵ月の赤ちゃんは天使以上に可愛くて、懇親会では皆に愛嬌を振りまいていた。研究者の偉業を家族ともども称える、そんな素晴らしいScience Dinnerに関係者として参加できるのは毎年の喜びだ。
(執筆者:石岡)

CONTACT US

サービスご提供までのプロセスや御見積など、
なんなりとお問い合わせください。

お問い合わせ
無料お見積はこちら 翻訳者のトライアルはこちら