IB、Protocol、SOPなどの改訂翻訳;品質向上のための人に依存しない新しい翻訳プロセス

2025.10.01

  • コラム

改訂翻訳とは 

治験文書の翻訳の仕事をしていて、いつの時代も頭を悩ませるのが「改訂翻訳」である。 

「改訂翻訳」とは、文書の改訂に伴い、変更箇所のみを翻訳する業務であるが、その中には、バージョンアップによる改訂や、ドラフト版から最終版への改訂などが含まれる。 

改訂翻訳は、年に1度改訂されるIBやSOP、Protocolなどで行う機会が多い。近年は治験届提出までの期間を短縮するため、ドラフト版から翻訳作業を開始し、最終版が完成したらドラフト版と比較し、差分箇所をドラフト版の翻訳に反映するというケースも増えている。 

改訂翻訳の作業は、新旧2つの文書をWordの比較機能を用いて、どこが変更されたのか特定することから作業が始まる。 

その後、比較したファイルを参照しながら、前版の翻訳文に改訂部分の内容を追加・削除をし、翻訳文として仕上げる業務である。 


改訂翻訳の落とし穴 

単純作業に見える改訂翻訳だが、そこにはうっかりミスの大きな落とし穴がある。 

  • まず、修正履歴が入り組んだWordファイルは見づらく、重く不安定である。 修正履歴の入った表は見づらく、表が崩れてしまうこともある。なので確認作業にとてつもなく神経を使い、それでもミスをカバーしきれないことも。 
  • 前版のTMを使用して翻訳支援ツール(CATツール)を使用して全翻訳をしようとしても、英語と日本語のテンプレートが違うため単純に上書きができない。 
  • CATツールで全翻訳をすると全ページレイアウト調整が必要になる。 

等々。 

例文(英語原稿)

例文(翻訳原稿)

神経を使って苦労しても、料金は修正箇所だけなので割に合わない気がするし、挙句の果てに、用語不統一、修正ミスや抜けなどが残り、クレームにつながるのである。

とにもかくにも、IBやProtocolやSOPに改訂はつきものである。

今までは、人の努力で何とか頑張ってきた。


新しいツール開発とプロセス構築

この度、改訂個所を抜き出す専門のツールを開発し、ミスを残さない仕組みを生みだした。

  1. Word上に改訂個所を抜き出し、貼り付ける、それも自動で。
  2. 貼り付けた個所だけにMTをかけ、TM、用語集を当てて翻訳。前版の表現を踏襲しながら訳ぶれをなくし、用語の統一が可能。
  3. CATツールでの作業が可能なので、1文単位を対訳で確認することで訳抜けが防げ、数値や用語集の登録用語をQAチェックツールで確認可能。
  4. 変わった個所にはツールでハイライトが入れられる。そこだけを確認すればいいから余計な手間がかからない、

という優れものツールである。前処理は必要になるが、ファイルの見やすさなど、圧倒的に作業負荷が減る。


改訂翻訳の課題を解決する「人×テクノロジー」

人だけで作業すると、いくら気をつけても、ミスに気付かないだけで、ミスが残る可能性が高い。

改訂翻訳はその後も続くのでミスは厳禁。限りなくツールを駆使し、最後に人がしっかり押さえることで、何よりもミスをなくすことが最重要である。

人が注意深く作業する手間を省くことで、副次的に納期も短縮(25%短縮したケースも)する優れものである。

簡単そうでもミスが残る、今までのプロセスでの失態が思い出され、このツールとプロセスができて涙が出そうなほど嬉しかった。

人だけに依存しない、「人×テクノロジー」のASCAの新しいプロセスで、より効果的な改訂翻訳を実現します

まずはASCAの担当までご相談ください。


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