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  • 2018.09.20
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医療現場のつぶやき : 第3回「ストレスってほんとストレス」

第3回「ストレスってほんとストレス」

意味のわからないタイトルからはじまりました第3回目のコラムです。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

年末になるにつれ、仕事は切羽詰まってきます。
切羽詰まるとストレスが溜まりますよね。
私だけでしょうか。もしかして私の仕事が遅いだけでしょうか。

というわけで今回はストレスの話を書いてみようと思います。
ストレスにはいくつか有名な理論があるのですが、今回は2つの理論について書きたいと思います。
個人的には、この2つの理論を知っておくことが個人のストレス耐性を高めるような気がいたします。

まずはじめにセリエのストレス理論。
個人的にはストレスの研究ってセリエに始まりセリエに終わったと言っても過言ではない気がいたします(過言か!)。彼はそれくらい研究し尽くしていて、ストレスの評価法を確立したり、精神的負荷による内分泌系の生理反応について明らかにしたりしています。今回はその中でも彼の提唱した「汎適応症候群(General Adaptation Syndrome)」についてまず紹介します。

セリエは動物は様々なストレス(外的な刺激)に対して、皆同じような生理的反応の経過をたどることを指摘しました。
そしてこれは生物が外的な刺激に適応するためのプロセスなのだと解釈したわけです。

警告反応期:
alarm-reaction 適応は獲得されていない状態
抵抗期:
stage of resistance  適応が獲得された状態
疲憊期:
stage of exhaustion 獲得した適応が再び失われた状態

詳しくはインターネットで検索していただいたらわかると思うので、ポイントのみ書きます。
拡大的に解釈いたしまして、えいやっと書くと、外的な刺激にさらされると人は最初はショック期こそあれ、徐々に馴染んでいきますよ。でもさらされすぎると今度はショック期以上に適応できなくなって病気になりますよ、ということなんですね。
これをふまえ私が言いたいのは、一見適応できてもずっと同じ環境で刺激にさらされ続けるといずれは病気になってしまうということなんです。
だから一見適応できている期間に外的な刺激を物理的に減らすような工夫が必要なんじゃないかなと私は思います。
「気持ち的に慣れた」とかそういうのではなくて外的な刺激を物理的に減らすということころがポイントです。

で、ここでもう一つの理論を。

ラザルスのストレス理論。
セリエは医学生理学分野の研究者ですが、ラザルスは心理学分野の研究者です。
ラザルスは「物理的な外的刺激」よりもむしろストレスにおける「認知」に重点を置きました。

私たちは誰もが経験上「同じ環境でもそれを負担だと感じる人もいれば、負担だと感じないひともいる」ということを知っています。
つまり「ストレスと感じるかどうかは人によって違う」となるわけです。
ラザルスはこれをストレス源をどのように認知するかによってストレスと感じるかどうかが決まってくると解釈したわけです。
これまた拡大的に解釈してえいやっと書くと、ストレス源に対して認知を変えればストレス反応を低減できる(コーピングできる)という話なんですね。ラザルス以降コーピングの研究が増えます。

世間一般的にはラザルスの理論の方が受け入れられやすいのではないかと思いますが、個人的にはセリエの汎適応症候群を推しますね。
もちろん、セリエとラザルスの理論は二者択一ではありませんが。
解釈変える(心理的な対応)よりもストレスの元を取り除く方(物理的な対応)が大事だと思うからセリエを推します。私は心理学の研究者ですけどね。
まあどちらもたくさんの研究に裏付けられている理論なので、どっちかが正しくてどっちかが間違えているというものではありませんけど。

というわけで、ストレス(物理)ってほんとストレス(心理)という話でした。

滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 准教授
岡 耕平

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