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    <title>たくみの匠</title>
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    <updated>2011-04-13T04:13:46Z</updated>
    <subtitle>ASCA顧問である石田匠氏の翻訳ノウハウを公開します！</subtitle>
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    <title>最終回：ひらがな、「の」</title>
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    <published>2011-04-13T04:04:34Z</published>
    <updated>2011-04-13T04:13:46Z</updated>

    <summary>昔、日本は中国から文字を輸入しました。中国語では、漢字の語順でそれぞれの語の役割...</summary>
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        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p>昔、日本は中国から文字を輸入しました。中国語では、漢字の語順でそれぞれの語の役割が決まります。日本語では、語順に明確な決まりがないため、ひらがなをつけて語の役割を決めます。ですから、漢字を輸入した後、日本人は、漢文の読み方に苦労しました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>誰もが簡単に漢文を読むために工夫されたのが、漢文の列の左右につける「レ（返り点）」や「一、二」といった読み順を示す記号であり、送り仮名です。この漢文につけた送り仮名が鎌倉時代以降「てにおは」と呼ばれるようになりました。</p><p>今回、「の」を取り上げたのは、読みにくい日本語訳には「の」が多いという印象からです。<br />英文法における「の」は、ofに代表される所有の意味として現れます。それ以上の説明はないのではありませんか。<br />日 本語文法における「の」の役割は、極めて多様であり、それだけで一冊の本が書けるほどです。しかし、翻訳の分野では、日常ほどの役割は必要ではありません から、代表的な役割さえ意識すれば読みやす訳文とすることができるでしょう。今回は、大出晃著、「日本語と論理」をベースにお話しします。（註、文法学者 により解釈がまちまちで、全ての学者が同じ説明をしているのではありません。）</p><p>「は」や「が」など、「てにおは」には決まった役割があるのですが、「の」は係り（修飾という意味）が広いため極めて使い勝手のあるひらがなです。</p><ol><li>所有格：「A社の新薬」では、「A社がもっている新薬」ですから所有の<ins>意味</ins>です。</li><li>主格：「A社<ins><strong>の</strong></ins>開発中の新薬」では、「A社が開発している新薬」ですから<ins>意味的</ins>には主格となります。</li><li>目的格：「改善度の確認」では、「改善度を確認」ですから、<ins>意味的</ins>には目的格となります。</li><li>陳述を示す「だ」の連体形：「A社の開発中<strong><ins>の</ins></strong>新薬」の「開発中の新薬」では、「開発中である新薬」ですから、「である」という陳述になると解釈されます。</li><li>形式名詞：「&hellip;<strong><ins>の</ins></strong>が／<strong><ins>の</ins></strong>は&hellip;である」の形（例、「白血球数が最低値となる<strong><ins>の</ins></strong>は治療の1週目」）では、「こと」「わけ」「もの」「ところ」「はず」と置換できるとされ、「最低値となる<strong><ins>こと</ins></strong>」と名詞化する役割を果たしていると説明されています。</li></ol><p>こ の名詞化は、一般的に認識されてはいませんが、重要な役割であり、外国人が「私、昨日、スカイツリー行った<strong><ins>のこと</ins></strong>ね。」と言うことがあります。「の」は、 その前にくる文を受けて、それを名詞扱いにすることができます。しかし、この名詞化は、便利ですが、時に、見慣れない表現を生みやすいので注意が必要で す。<br />日本語訳における「の」の問題＝読みにくさは、不要な「の」の使用と上記の用法にそぐわない使用法、そして 5）の名詞化です。<br />訳文がこれら3つの「の」の問題にあてはまらないかどうかは、一般論として、ひらがなの用法にキチンとした文法ルールはないため、ニュアンスを感覚的に磨いていくしかないでしょう。</p><p>例文1： &hellip;in the escape time&nbsp;&nbsp; 脱出<strong><ins>の</ins></strong>時間<br />　この場合の「の」は不要な「の」の典型です。「脱出時間」とします。丁寧に表現しょうとしてひらがなを多用してはいけません。</p><p>例文2： &hellip;in the 4-week multiple dose study in the rat&nbsp;&nbsp; ラット<strong><ins>の</ins></strong>4週間反復投与試験<br />　 英語の前置詞はひらがな表記が普通です。そのため、ひらがに訳すと決めてかかってる方がいますが、そうではないので、全てを訳そうとしないほうがよいので す。また、この「の」を所有格か主格かと考えるとヘンであることが分かります。「A社の反復投与試験」であれば「A社が実施した」という意味で成立します が、ラットでは成立しません。そこで、Medical  Japaneseの日本語表記として一般的表現は何かと考え、「ラット4週間反復投与試験」または「ラットにおける4週間反復投与試験」とします。</p><p>例文3：The NOAEL was 100 mg/kg, with a human equivalent dose of 16 mg/kg.&nbsp;&nbsp; NOAELは、ヒトにおける相当用量が16 mg/kgであった<strong><ins>の</ins></strong>に対し、100 mg/kgであった。<br />　これが名詞化です。英語は中国語同様、語順で格が決まりますから日本語の助詞にあたるものはありません。どのようにひらがなを使うかが個人により違うため、訳文が100人100様となるのです。</p><p>例文4：single dose safety&nbsp;&nbsp; 単回投与<strong><ins>の</ins></strong>安全性、risk of toxicity&nbsp;&nbsp; 毒性作用<strong><ins>の</ins></strong>リスク<br />　この「の」は役割が不明です。安易に使われたものだと思います。「単回投与時の（被験薬の）安全性」、「毒性作用発現のリスク」とすれば理解しやすくなります。</p><p>「の」で多い問題の中に「の」の連続があります。「の」がふたつまでであればよいのですが、3つ以上になると修飾－被修飾関係がややこしくなるため、読み手は読み返しを必要とします。スラッと読めなくなるのです。</p><p>例文5：これら<strong><ins>の</ins></strong>被験者<strong><ins>の</ins></strong>薬力学的反応<br />　この表現で、「これらの」は、被験者にも、薬力学的反応にも係ります。</p><p>他のひらがなと違い「の」は語彙と語彙を簡単につなげることができます。便利なボンドですね。簡単にフレーズを作れるため、なんとく多用されるわけです。<br />「の」の誤用を避けるには、再読してみて、なんとなくヘンだと思ったら「の」の用法を再考し、リライトすることです。気を付けるだけでもよい文章が書けるようになります。</p>]]>
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    <title>第16回：日本語の時制</title>
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    <published>2011-03-09T03:14:33Z</published>
    <updated>2011-03-09T03:31:21Z</updated>

    <summary>今回は、エレガンスのお話です。英文法では、時計上の現時点が時の起点になっています...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p>今回は、エレガンスのお話です。<br />英文法では、時計上の現時点が時の起点になっています（&quot;一般論として&quot;、以下、同じ）。2011年3月9日を起点として過去、現在、末来があり、ある事象については、それが起こった時を現在からながめて、過去完了、過去進行、現在完了、現在進行、未来完了、未来進行といった細かな区分がなされます。英語の訳を英文法のみで行うと、過去形は「た」のみとなります。</p>]]>
        <![CDATA[<p>日本語には時の起点を規定する明確な文法が存在しません。長い歴史の間に文法そのものの変遷が大きく、時制の表現法自体も変化したからです。結局、時制の実際の使用例を分析し、ああだこうだという分類はあるものの、国語学者と文法学者では区分法が違いますし、小・中校生に「この規則に従い時制を表現しなさい」と指示できるものはありません。英語では、「過去形はwasである」と歯切れよく言えるのですが、経験から学ぶしかない日本語の1側面と言えます。<br /><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E5%88%B6">Wikipedia</a>には、「基本的に日本語の時制は、過去と非過去のいずれかを問題とするものであり、現在形は&quot;ル&quot;で、過去形は&quot;タ&quot;で表す」とあります。しかも、「&quot;タ&quot;は過去ではなく完了を表し、日本語に時制はないとする意見もあり」とありますから、さらに話はややこしくなり、結局、わけが分からないのです。</p><p>英語は、動詞という文要素のみで時制を示すことができるのですが、日本語は、動詞だけでは不十分なため、動詞以外の語彙から時を示すことになっています。例として、過去形の文は、「発見されたのは、平成21年のことであった」とも、「発見されたのは、平成21年のことである」とも表現できるわけです。完了や未来といった時の相は、&quot;時折&quot;、&quot;頻繁に&quot;、&quot;次第に&quot;、&quot;術後の経過とともに&quot;、&quot;&hellip;以降は&quot;、&quot;後観察期には&quot;といった「時」を示す語彙の助けを借りるわけです。<br />日本語の時制には、<br />（1）英語の時制と日本語の時制は同じでない、<br />（2）過去は&quot;タ&quot;が基本ではあるが、<br />（3）時制を表す厳密な表現上の規則はない、<br />（4）時の相は、「時」を示す語彙の助けを借りて示す、<br />（5）時制の一致は必ずしも求められない、<br />（6）文末が同じ表現（&hellip;た。の連続）だと文章が単調となる、<br />といった特徴があります。</p><p>さて、メディカルで時制の話をするのは、訳文を少しオシャレにするためです。<br />日本語では、助詞を含め、一文中に同じ表現を繰り返すのを嫌います。&quot;他条件はそのまま<ins>に</ins>対照群<ins>に</ins>ランダム<ins>に</ins>割り付けた&quot;（&rarr;モサモサ感がある）、または、&quot;高血圧患者群1000例のうち降圧目標を達成した高血圧患者は&hellip;（&rarr;&quot;圧&quot;が多くてあか抜けない）&quot;といった文章はリライトしたほうがよいでしょう。同じように、末尾の表現（動詞の表現）が全て同じ「&hellip;た」だとあか抜けません。その対処法として、今回は2タイプの文をみてみましょう。</p><p>日本語は、時を超越することができます。最初に「今は戦国の世である」と言っておくと、その後の文は戦国時代に飛び、現在形が混じってもよいのです。適度な過去形と現在形のミックスで口調のリズムをとるわけです。例として、品良く、司馬遼太郎の空海の風景の一節を&hellip;</p><p style="margin-left: 40px;"><em>空海は、この漢訳をよむことによって大日経の理論は理解<ins>できた</ins>。<br />ただし、空海にも解せない部分<ins>が</ins><span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ある</ins></span>。大日経には、仏と交感してそこから利益（りやく）をひきだすという方法が<ins>書かれて</ins><span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>いる</ins></span>。その部分は、秘密（宇宙の内面の呼吸のようなもの）であるがために、宇宙の言語である真言を必要とし、また交感のためには真言だけでなく印を結ぶなどの所作を必要<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>とした</ins></span>。（中略）こればかりは手をとって伝授されることが必要で<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>あった</ins></span>。<br /></em></p><p>まず、英語が複文の場合です。時制の一致があり、英文法に従うと「&hellip;た&hellip;た」となります。その日本語訳は次のように書くことができます。</p><p>例文1：試験終了時の血圧は、2剤併用群のほうが単剤投与群よりも有意に<ins>低</ins><span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>かった</ins></span>にもかかわらず，主要エンドポイントと副次エンドポイントは同等であり，有用性について明らかにすることは<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>できなかった</ins></span>。&rarr;「有意に<ins>低</ins><span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>い</ins></span>にもかかわらず，&hellip;できな<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>かった</ins></span>」とも書ける。<em>［筆者註：内容に信憑性はありません。以下、同］</em><br />例文2：BETR試験では、目標値への降圧に3ヶ月以上をかけることがプロトコルで規定<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>されていた</ins></span>ことから，本治験では観察期間を投与開始4ヶ月目から投与終了時までと<ins>した</ins>。&rarr;「規定<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>されている</ins></span>ことから，投与終了時まで<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>とした</ins></span>」とも書ける。</p><p>いずれも直訳では「&hellip;タ&hellip;タ」のカタチですが、先の「&hellip;タ」と後の「&hellip;タ」が同時期に起こったの事柄であれば、先の「&hellip;タ」は「&hellip;ル」の方が読みやすく感じます（ 「&hellip;ル&hellip;タ」）。恐らく、「&hellip;タ」にはそこで&quot;一旦話を打ち切る&quot;といったニュアンスがあるからでしょう。「&hellip;ル&hellip;タ」であれば、話が継続している感じがします。<br />しかし、別の時期であれば、両方とも「&hellip;タ」の方が読みやすくなります。次にその例。</p><p>例文3：これまでの経験では、試験終了時の血圧は、2剤併用群のほうが単剤投与群よりも有意に<ins>低</ins><span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>かった</ins></span>にもかかわらず，今回、主要エンドポイントと副次エンドポイントは両群間で同等であり，その有用性について明らかにすることは<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>できなかった</ins></span>。<br />例文4：しかし、高齢高血圧患者の血圧を140mmHg未満に維持することの意義について検討<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>した</ins></span>試験が行われていないことから、今回、BETR試験を実施<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>した</ins></span>。</p><p>また、「&hellip;タ、&hellip;タ」の繰り返しを避けるため「&hellip;タ、&hellip;ル」のカタチもあります。</p><p>例文5：解析対象の内訳として、降圧目標を達成<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>した</ins></span>のは1000例（80％）<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>である</ins></span>（vs.<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>であった</ins></span>）。</p><p>連文の場合も同じ考えが当てはまります（例として、「空海は&hellip;」の文のように、先に過去形の文があり、後に現在形と過去形の文が適宜ミックスされます。一旦、時を規定すれば、それに続く文の過去・現在の表現型にあまりこだわりがなくてもよいということです）。</p><p>例文6：本治験では、投与開始4ヶ月目から投与終了までを観察期間とし、収縮期血圧の平均値が目標範囲内に<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>あった</ins></span>サブグループを対象に解析<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>した</ins></span>。目標を達成<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>した</ins></span>症例数は、2剤併用が1000例、単剤投与群で900例で<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ある</ins></span>。試験終了時の平均血圧は、それぞれ xxx mmHgと xxx mmHgであり、群間差は xxx mmHgで<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ある</ins></span>（p&lt;0.001）。主要エンドポイントの発生率は，それぞれ10人/1000人･年と12人/1000人･年で<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>あり</ins></span>、ほぼ同等で<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>あった</ins></span>（P = 0.551）。また，有害事象の発生率にも差は<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>みられていない</ins></span>。</p><p>まとめです。日本語のルールは緩く、英語のルールは厳格です。英語の直訳は、時に硬い日本語をつくりますから、適宜、現在形を混ぜ、変化をもたせると読みやすくすることができます。最初に過去だ、未来だということを示せば、そのストーリーが続いている間、時制は（厳密な意味のtenseではない）自由でよいということです。<br />ルールが緩いだけにセンスが必要です。日本語文法の本やたくさんの文章から感覚をつかんでみてください。エレガントな訳文を書くことができるようになります。</p>]]>
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    <title>第15回：読みやすさへの工夫 9（ちょっとした勇気）</title>
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    <published>2011-02-09T00:14:49Z</published>
    <updated>2011-02-09T00:19:10Z</updated>

    <summary>関西では、美容整形外科の「ちょっとした勇気を持ってください」という優しい口調のT...</summary>
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        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p>関西では、美容整形外科の「ちょっとした勇気を持ってください」という優しい口調のTV CMがあります。個人的に違和感を覚えるCMですが、今回は、辞書訳を内容訳に変える勇気の大切さについてのお話です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>日本語は英語とまるっきり違う体系の言語であることは再三書いてきました。まずは、直訳と称する辞書訳をした後、訳文を解釈して、単語置換だけの日本語からホントの日本語にしなくてはなりません。足したり、引いたり、別の表現に書き変えたりといったリライトを行うことが必要です。</p><p>中でも、訳者が嫌うのが主語の位置の変更です。翻訳者は、&quot;忠実に&quot; と &quot;読みやすさを第一に&quot; の間（はざま）でいつも揺れ動いています。そして、やっぱり &quot;忠実に訳そう&quot; となるのです。<br />しかし、読みにくいものは読みにくいものです。英語では、主語と動詞がくっついていますから、動詞の主体が明確です。日本語では、主語が先頭にあり、動詞は末尾ですから、英語での述部が長い場合、直訳すると、読み手は主語の後、動詞にたどり着くまで全体の意味を解釈できません。</p><p>例文1：In such case, the sponsor may apply for orphan designation of the same medicinal product for the same use in both jurisdictions by using this common application form for its submissions to the European Medicines Agency (EMEA) and the FDA.</p><p>直訳してみると、「そのようなケースでは、スポンサー<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>は</ins></span>、EMEA と FDA の法規上の分類が同じ<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>であれば</ins></span>、ひとつの医薬品のひとつの適応症<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>に対し</ins></span>、EMEA と FDA に共通な申請様式を<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>用い</ins></span>、オーファン指定を申請すること<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ができる</ins></span>。」<br />この英文では、the sponsor may apply と&quot;動作&quot;の&quot;主体&quot;が直前にあります。分かりやすいですね。他方、日本語では、「スポンサーは.、&hellip;、&hellip;、&hellip;、&hellip;、申請することができる。」となり、「スポンサー」と「申請できる」の間にある英文述部の意味は、末尾の「申請できる」という動詞を読むまで理解できないわけです。</p><p>短い英文であれば直訳もOK。しかし、which、that、for、with、in といった節や句の数が多いと「に」「で」「の」「へ」といった機能の弱い（修飾・被修飾関係があいまいな）助詞が増え、読み手につらい文となります。<br />そこで、読みやすさの工夫のひとつとして、長い英語文場合、主語の位置を動かすという選択肢もあることに留意するようお勧めします。</p><p>日本語論文を書く技術のひとつに &quot;簡潔な文を書く&quot; というものがあります。長い英文による長い日本文は、複数の短い文とするのです。上の例をリライトすると&hellip;、</p><p>訳例1：そのようなケースでは、法規上、ひとつの医薬品／ひとつの適応症と分類されるのであれば、スポンサー<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>は</ins></span>、EMEAとFDAに共通な申請様式<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>を用い</ins></span>、オーファン指定を申請すること<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ができる</ins></span>。</p><p>最初の訳は、「&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>は</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>であれば</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>に対し</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>を用い</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ができる</ins></span>。」という構成になっています。しかし、リライト文では、「&hellip;であれば、」が条件節となってるため、主文が「&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>は</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>を用い</ins></span>、&hellip;<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>ができる</ins></span>。」と簡単な構文となり、読み手にやさしくなるというわけです。<br />上記は、てにおはが多くなる場合の対処法ですが、英語構文そのものに対する訳し方として、表出順に訳さないほうがよいものもあります。</p><p>例文2：As described earlier, the <span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>safety</ins></span> of the three dimensional tissue equivalent of the present invention upon application on full-thickness wounds in mice has been <span style="color: rgb(0, 0, 255);"><ins>confirmed, with no signs of </ins></span>reactivity (oedema, erythema, fluid collection) upon intracutaneous application in the full-thickness wounds created on the animals.</p><p>これを直訳すると、「the three dimensional 組織の安全性が確認され、reactivity の徴候はみられなかった。」とでもなります。これは、「reactivity の徴候がみられなかったことから、the three dimensional 組織の安全性が確認された。」とも訳せます。<br />英語と日本語では表出順が逆ですから、上の英文では、まず「安全性は、」と書いておいて、「&hellip;signs により示されるように」（理由が後にくる）となっています。日本語は、逆に、「&hellip;signs により示されるように」（理由が前にくる）「安全性は、」と書くのが普通です。これは言語生理の違いです。</p><p>この例文では with を because/since の代用としています。英語の便利な表現法です。一旦、知ってしまうと楽に訳せるようになります。<br />別の英語の表記順に主語を訳さなくてもよい短文を例示します。</p><p>例文3：Only data reported in the trials were included in our primary analysis.</p><p>これは、「治験からのデータのみを主要解析に用いた。」と訳せますが、「主要解析に用いたのは、治験からのデータに限定した。」とも書けます。どちらを前にもってくるかは、主体をいずれに置くかにより決まります。</p><p>いずれにせよ、中学・高校英語のように主語から訳出することでよいのかどうか、考える習慣をつけてみて下さい。英語が一層奥深く、楽しいものと感じられます。</p>]]>
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    <title>第14回：読みやすさへの工夫 8（句点）</title>
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    <published>2011-01-12T00:32:20Z</published>
    <updated>2011-01-12T00:37:38Z</updated>

    <summary>まずは、「なぜ句点」が問題となるのでしょう。理由として、次の3つが挙げられます。...</summary>
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        <name>アスカコーポレーション</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p>まずは、「なぜ句点」が問題となるのでしょう。理由として、次の3つが挙げられます。</p><ul><li>句点についての文法的規則はない。</li><li>日本語は本来短いものであるが、英語には長文化するための装置がたくさんあり、訳した日本語が往々にして長くなる。</li><li>句点の打ち方は訳者の自由裁量であり、基本は読み手への配慮である。</li></ul>]]>
        <![CDATA[<p>元来、日本語には句読点というものはありませんでした。始まりは明治39年（1906）、文部省により「句読法」が作成されてからです。しかし、日本語文法の議論によくみられる通り、改定を重ねつつも、なお（案）のまま今日に至っています。<br />とはいえ、役に立つものですから、まずは、そのまま拝借しましょう。</p><p>句読点の使い方<br />　ア） 文の中の言葉の切れ続きを明らかにする。（例、白い花と、葉の緑が目にしみる。<br />　イ）対等にならべる語句の間に使う。（例、アジア諸国との外交関係の緊密化と、経済策の再検討と、貿易の振興とが、現下の難問題である。）<br />　ウ）文頭におく接続詞や副詞のあとに使う。（例、しかし、真実は曲げられない。）<br />　エ）条件や限定を加える語句のあとに使う。（例、風が吹けば、花が散る。）<br />　オ）並列する語句が簡単なとき、条件・限定の語句が簡単なときは、使わない。</p><p>ア）でいう言葉の切れ・続きは、例文ほど簡単には見極めがつきません。<br />例：Alzheimer's disease (AD) is an age-related neurodegenerative disease that affects approximately 4.5 million people in the United States. <br />これを句点を打たずに訳すと、「アルツハイマー病（AD）は米国にて約450万人もの患者がいるとされる加齢性神経変性疾患である。」となります。読み手は読みにくいと感じます。読みにくい理由は簡単で、日本語は出ていく息の量が多い言語ですから、句点がなく、息継ぎがないと、軽い呼吸困難を引き起こすからです。読み手は自身で息継ぎをしなくてはならず、内容の理解が妨げられます。それは読み手に優しくありません。<br />この文にはthatがありますが、関係代名詞や接続詞が入っていて、修飾する文の単位が明確な場合は句点を入れてみます（で、続き具合をみます）。すると、「アルツハイマー病（AD）は、［米国にて約450万人もの患者がいるとされる］、加齢性神経変性疾患である。」となります。</p><p>もし、次の文章のように区切りのない長文であったら&hellip;<br />例：Alzheimer's disease (AD) is the most common neurodegenerative disorder characterized by progressive cognitive deficits and associated with the deposition of extracellular amyloid beta plaques in the brain. <br />「アルツハイマー病（AD）は進行性の認知機能障害を特徴とし脳内細胞表面へのアミロイド&beta;斑の沈着が関与している最も一般的な神経変性疾患である。」のように、区切りを入れないのはいけません。「アルツハイマー病（AD）は、［進行性の認知機能障害を特徴とし］、［脳内細胞表面へのアミロイド&beta;斑の沈着が関与している］、最も一般的な神経変性疾患である。」となるでしょう。この時、ふたつの［　］は イ）の「対等にならべる語句」となります。また、「アルツハイマー病（AD）は、&hellip;、最も一般的な神経変性疾患である。」という関係が成立していることも句点により明快となります。</p><p>ウ）の文頭の接続詞または副詞の観点からも、「また、委員会は&hellip;」、「現在、治験は&hellip;」、「2000年以来、国内では&hellip;」など、面倒と思わず句点をいれましょう。この時、「現在の治験は&hellip;」、「2000年以来の国内では&hellip;」といった連続文としないこと。句点があることにより、「現在」や「2000年以来」を頭の中のから一時的に外すことができ、内容理解の助けとなります。</p><p>エ）は自明として、見過ごしがちなのが オ）です。「投与量は10mg/dayであった。」のような短文は、息継ぎも必要なく一気に読めますし、修飾・被修飾関係も明確ですから、句点を入れるとかえって目障りとなります。「以下に述べる結果に基づいて、25 mgを開始用量として選択した。」という場合も句点はなくてよいでしょう。短いですからね。また、［以下に述べる結果に基づいて］の「&hellip;いて」は、なお文が続くことを示しています。「&hellip;基づき、」だと句点が入っても構いません。同様に、「&hellip;を特徴として」と「&hellip;を特徴とし&hellip;、」では、続けるか切ってよいかの違いがニュアンス的にでてきます。さらに、次の例文も句点の打ち方を間違っている例です。 <br />「報告対象となるのは、治験対象施設からの報告書に記載された、&hellip;に関連する感染症例のみです。」<br />このような場合は、「報告書中の&hellip;に関連する」のようにリフレーズし、読み手が意味の単位について考えなくて済むようにします。</p><p>これら以外の留意点として「は」があります。「は」の後には必ず句点を打つと思われていますが、case-by-caseが正解です。<br />「&hellip;は」と「&hellip;である。」との間にフレーズがなく、ストレートに繋がっていれば「は」の後の句点は、上の「投与量は10mg/dayであった。」のように不要です。</p><p>以上をまとめます。</p><ul><li>文が長い場合、適宜句点を入れ、読み手の視覚的、意味的理解の補助とする。</li><li>句点までの長さは、息継ぎのし易さを基本とする。</li><li>句点に基づくフレーズは論理的＝意味的単位とする。</li></ul><p>これらの3要件は、同時に成立することが望ましいと思います。</p><p>最後に、いささか古いのですが、「日本語相談2」（1990）の中で丸谷才一が次のようにまとめています。「筆者は、かなりのところは読者の自由な読み方に任せながら、しかしどうしても打つしかない箇所にテンを打ってゐる。その、どうしても打つしかない理由は、おそらく、休止の指示と論理の明確化の二つでせう。」</p>]]>
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    <title>第13回：オリジナリティとニュアンス</title>
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    <published>2010-12-08T00:45:58Z</published>
    <updated>2010-12-08T01:03:53Z</updated>

    <summary>これは英訳でも和訳でも同じことですが、日本語と英語との言語体系の違いから、原文を...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p>これは英訳でも和訳でも同じことですが、日本語と英語との言語体系の違いから、原文を全く同じ意味内容の表現に訳すことはまず不可能です。</p> <p>よく訳が正確でないといった評価を下したり、下されたりしますが、&quot;正確さ&quot; が何を意味するのかは人によりまちまちです。<br /> そこで提案したいのが、originality という捉え方です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>&quot;正確に訳す&quot; という捉え方は人により解釈が違ってきますから、&quot;originality を損なわない&quot; という捉え方の方が、訳の適否を議論する上では便利だと考えています。</p> <p>著者は、自身の考え方を意図する通りに理解して欲しいわけです。しかし、数字入力のミス、訳抜け、背景知識の欠如からくる字面訳、語彙の取り違えといったビギナーズ・エラーだけでなく、過剰な簡略化または追加、解釈の違いなど訳者の訳に対する考え方という理由によっても、著者の originality は損なわれてしまいがちです。<br /> ビギナーズ・エラーは防止策さえ講じればよいのですが、訳者の考え方はややこしい問題です。</p> <p>日本語には表記以外のニュアンス（言外の意味ともいう）を含むという特徴があります。英語は表記したものが全てでよいのですが、日本語では &quot;なんとなくこう解釈できる&quot; というものが読み手ひとりひとり違うのです。ですから、訳にあたっては直訳（英&quot;単語&quot;に忠実であろうとすること）に拘泥せず、訳文が著者の意図とは別の意味に取られてしまわないか自己点検する能力を高くもつ努力をなさなければなりません。</p> <p>原文1：The results of these well-designed studies should not be overinterpreted. <br /> 筆者の勝手訳1：&quot;これらよく設計された試験の結果は過大に解釈されるべきではない。&quot;</p> <p>theseとありますから試験の内容は既出です。この直訳自体に問題はありません。そう訳せます。しかし、読み手からすると &quot;よく設計された&quot; が &quot;されるべきではない&quot; と合わないことに不安感をもってしまいます。で、もう一度読み返します。が、それでも分かりません。もしかして誤訳か、と思ってしまいます。<br /> これが &quot;The results of these (<del>well-designed</del>) studies should not be overinterpreted.&quot; であれば明快となるでしょう。つまり、well-designed はこの文の前に design の話が出ているため書かれているか、well-designed ではあるものの、と注意を喚起するためあえて加えたかと解釈できます。後者によれば、&quot;これらの試験は適切にデザインされてはいるものの、その結果を過大に解釈してはならない&quot; となります。これで original のニュアンスは出せたでしょう。</p> <p>原文2：These drugs have only limited effectiveness because of the complexity of cognitive processes in the brain.<br /> 勝手訳2：&quot;脳内の認知プロセスが複雑なため有効性は限られている。&quot;</p> <p>CNS系の薬剤はなかなか効きにくいといってるのですが、勝手訳の問題は &quot;プロセスが複雑なため有効性が限られる&quot; という原因と結果が成立するかということです。恐らく、多くの読み手が、&quot;複雑だから&quot; が理由になるのかというところに引っかかるでしょう。これは、&quot;複雑なため&quot; という断定が強すぎるからです。著者の意図するところ＝ originality が損なわれないよう日本語表現を再考します。たとえば、「脳の認知プロセスはきわめて複雑であるため、これら薬剤の有効性は限定的とならざるをえない」とでもすれば、originality は損なわれていないでしょう。日本語のニュアンスはややこしい問題なのです。</p> <p>原文3：Alzheimer's disease (AD) is the most common neurodegenerative disorder characterized by &hellip;. <br /> 勝手訳3：&quot;アルツハイマー病は、&hellip;を特徴とする、最も頻発する神経変性障害である。&quot;</p> <p>この訳も &quot;最も頻発する&quot; という決めつけが、読み手にそうかな&hellip;と考えさせてしまいます。<br /> これを「アルツハイマー病は&hellip;を特徴とする最も一般的な神経変性疾患である」とすれば &quot;そうだな&quot; と思ってもらえるでしょう。most common を &quot;最も頻発する疾患&quot; と訳すことはできます。でも、&quot;最も一般的な疾患&quot; と訳すほうがニュアンス的に original に近いでしょう。</p> <p>原文4：Muscle atrophy is a common occurrence in uremia.<br /> 勝手訳4：&quot;筋委縮は尿毒症において頻繁に発症する。&quot;</p> <p>直訳はその通りです。しかし、読み手によっては、&quot;筋委縮は<ins>（他の疾患ではなく）尿毒症において</ins>頻繁に発症する&quot; ととるかもしれません。筋委縮は様々な病態で発症するものですから、このままでは誤訳となってしまいます。&quot;尿毒症では筋委縮の発生率が高い&quot;とでもすると誤解はないでしょう。</p> <p>今回あげた well-designed、limited、common といった語彙は、意味的には簡単なものです。しかし、訳者の解釈がニュアンスとなって現れるという意味で難しいものです。特に、形容詞や副詞は場に応じた（内容に添った）表現でなくてはなりません。そこに訳者の技量が現れてしまいます。簡単に訳をしてはいけません。</p> <p>対策としては、時間はかかるものの、基本的なことしかありません。たくさんの本を読み、日本語の語彙を増やすと共に言語感覚を磨くことです。結論として、訳文を時間を置いて back translation し、訳後の検証を怠らないことです。</p>]]>
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    <title>第12回：読みやすさへの工夫 7（主語 は・が）</title>
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    <published>2010-11-10T02:26:06Z</published>
    <updated>2010-12-08T01:04:07Z</updated>

    <summary>今回は主語の訳し方についてみてみましょう。 主語は「は」と訳すというのが学校文法...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p>今回は主語の訳し方についてみてみましょう。<br />
主語は「は」と訳すというのが学校文法の基本です。今回はその基本ルールである中学・高校英語からの脱却です。</p>]]>
        <![CDATA[<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/主語">Wikipediaによると</a>、「主語（subject）は「述語」の対概念であるが、<ins>その定義は言語学者間で一致していない</ins>（A）。&hellip;日本では西欧文法の知識を導入したとき、その文法を手本にして国文法の体系化を進める過程で<ins>定着した</ins>（B）」とあります。<br />
<br />
私流に解釈すると、（A）主語というものは必ずしも絶対的なものではなく、ひとつの文においていくらでも取り換えが効くものである。<br />
例えば、ICH guideline に &quot;The criteria for exclusion at entry into the study should be specified.&quot; とある文は、<br />
&quot;The protocol should specify the criteria for exclusion at entry into the study.&quot; とも<br />
&quot;The investigator又はsponsor should should specify the criteria for exclusion at entry into the study.&quot; とも書ける。<br />
「主語」のパターン訳である「は」の訳語が持つ響きほど主語は強い存在ではなく、その訳として常に「は」が適切とは限らないということです。<br />
また、日本語は数千年を歴史を刻んできているので、主語そのものがたかだか150年の間に定着した（B）とも思えません。つまり教室以外では文法の範囲外の用法がたくさんあります。<br />
<br />
「は」と「が」の使い分けについて言語学者の意見はまちまちで、内容に応じて訳すしかないようです。「は」にはたくさんの用法があるからです。例えば、<br />
（1）新情報と旧情報の原理（旧情報には「は」、新情報には「が」）<br />
（2）現象文と判断文の原理（判断文には「は」、現象文には「が」）<br />
（3）措定と指定の原理（措定には「は」、指定には「は」か「が」）<br />
（4）有題文と無題文の原理（有題文には「は」、無題文には「が」）<br />
（5）文と節の原理（文の中には「は」、節の中には「が」）<br />
（6）対比と排他の原理（対比のときは「は」、排他のときは「が」）<br />
といった用法があります（<em>野田 尚史、1984</em>）。<br />
<br />
これらのルールは我々一般人には難しいので、一応、こういう分類もあるという理解でよいでしょう。ただ、こうした分類を意識していると、少しずつ訳文にニュアンスが込められるようになってきます。<br />
<br />
この中から今回はひとつだけ、（1）新情報「は」と旧情報「が」についてみてみます。<br />
<br />
例文：「本試験<ins>は</ins>、異なる3つの部分から成る。Part 1 およびPart 2 <ins>は</ins>、それぞれが、単回および反復投与による無作為二重盲検プラセボ対照用量漸増経口投与試験である。Part 3 <ins>は</ins>、反復投与後の追跡試験であり、主に有害事象の経過を重点的に追跡した非盲検反復投与試験である。」（<em>著者による作文</em>）<br />
もし、このように全ての文の主語を「は」と訳すと&quot;新規情報が連続する&quot;こととなり、本来続いて書かれるべき新規情報の説明がないことになるということです。<br />
<br />
新旧情報について面白い説明の仕方がありました。<br />
「忘れてはならないのは、一度「は」で主題が示されたら、基本的に次に「は」が出てくるまで主題が継続するということです。その働きのおかげで主語が省略できる。例えば、『<ins>太郎</ins><ins>は</ins>部屋に入ったとき、花子がないていることに気づいた。』」（<em>別宮 貞徳､2009</em>）「&hellip;ことに太郎は気づいた」の「太郎」が省略されています。<br />
また、主題が継続している例として、「川端康成の『伊豆の踊子』の一節。『はしけがひどく揺れた。<ins>踊子は</ins>やはり唇をきっと閉じたまま一方を見つめていた。<ins>私が</ins>縄梯子に捉まろうとして振り返った時、さよならを言おうとしたが、それも止して、もう一ぺんただうなずいて見せた。』」の文で「さよならを言おうとした」のは誰かについて、「私」でよいかというと、そうではなくて、「踊子」だと説明しています。（<em>寺村 秀夫、1982</em>）<br />
<br />
さて、先ほどの作文です。<br />
「本試験<ins>は</ins>、異なる3つの部分から成る。Part 1 およびPart 2 <ins>は</ins>、それぞれが、単回および反復投与による無作為二重盲検プラセボ対照用量漸増経口投与試験である。Part 3 <ins>は</ins>、反復投与後の追跡試験であり、主に有害事象の経過を重点的に追跡した非盲検反復投与試験である。」の訳で「本試験<ins>は</ins>」、「Part 1 およびPart 2 <ins>は</ins>」と「Part 3 <ins>は</ins>」は別個のものでしょうか。<br />
後者のふたつの「は」は最初の「は」の継続ではないでしょうか。すると、継続していることを示すため最初の「は」そのままに続く「は」書き換えた方が理解し易いでしょう。<br />
<br />
「本試験<ins>は</ins>、3つの Part から成っており、Part 1 <ins>が</ins>単回投与、Part 2 <ins>が</ins>反復投与による無作為二重盲検プラセボ対照用量漸増経口投与試験である。Part 3 <ins>では</ins>、反復投与後の継続投与試験として試験薬を非盲検下に反復投与し有害事象の経過を評価することが主な目的である。」<br />
<br />
全ての文の主語を「は」と訳すのは単文の訳し方です。しかし、パラグラフの単位で読み手の理解を高めようとするなら、どこからどこまでのひとつの内容かを示す文体が好ましいでしょう。<br />
「は」の連続はなんとなく違和感を感じさせるものです。直訳を望むクライアントであれば致し方ありません。しかし、読み易さを求めるクライアントに対しては主語への配慮も大切ではないかと思います。</p>]]>
    </content>
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    <title>第11回：読みやすさへの工夫 6（ひらがなの数）</title>
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    <published>2010-10-13T01:46:47Z</published>
    <updated>2010-10-13T02:49:15Z</updated>

    <summary>今回はまず結論から。ひらがなの数は少ないほうがいい。 皆さんもご存知の通り、日本...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p>今回はまず結論から。ひらがなの数は少ないほうがいい。</p>
<p>
皆さんもご存知の通り、日本語における内容表現は基本的に漢字に拠っており、ひらがなは漢字を補完する役割を担っています。漢字は内容を体現（表意文字）しています。よって、その数が多いほど視覚的にも理解の助けとなります。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>科学技術系論文と新聞や週刊誌を見比べてください。漢字とひらがなの密度に違いがあるでしょう。もし、漢字で書くところをひらがな表記すると、視点の置き所にうろたえが生じ、読んでいてもなんとなくもたついた感じとなります。また、速読にも支障を来すでしょう。<br />
昔から研究論文は漢字主体であり、漢字密度の高さ＝難解な感じが研究論文らしさに繋がっているという側面もあります。</p>
<p>ひらがなの数ですが、英語の前置詞、接続詞、代名詞であるwhichやthat等を直訳的に丁寧に訳すと多くなってしまいます。翻訳者はなるべく英語原稿に忠実であろうとします。しかし、日本語と英語は全く体質の違う言語ですから、日本語に訳す時には端折るといった気持でいないと、長い英語から長い日本語が生まれてき、読みづらい訳文なってしまいます。<br />
例えば、よくみかける文章として、When a subject discontinued or was withdrawn,...を「被験者が治験を中止したまたは被験者の治験を中止させた場合、...」とすると訳は正しくとも、一気読みができません。<br />
また、日本語を推敲するときに、例えば「繋がっているのかもしれません」を考えに考え、丁寧に表現したつもりで「繋がっていることもあるのかもしれません」としたら、かえって冗長感を生じてしまいます。</p>
<p>ひらがなは、主語や目的語といった文要素の単語の訳と違い、訳者がその場その場の言語感覚に基づき生み出すものです。よって、訳者は、その数が多くならないよう、medical community languageである医学日本語の文型をたくさん覚え基礎訳力を高めなくてはなりません。また、ひらがな表記に違和感を感じるだけのsensitivityを養うことです。</p>
<p>ひらがなが多くなる具体的な理由には、次の3つが考えられます。</p>
<p>（1）<strong>不要なひらがなが推敲・整理されていない。</strong>この場合、単純に削除するか、名詞主体の文へ変更します。</p>
<p>例文1：because that would require a legal acknowledgement that...<br />
訳例）<ins>というのも、</ins>その理由は、 <br />
→ 改）"というのも"はredundantゆえ削除。</p>
<p>例文2：primary Axis II disorder <br />
訳例）原発性<ins>の</ins>II軸<ins>の</ins>障害<br />
→改）原発性II軸障害（連語／熟語として存在するかどうかを、検索して調べます）</p>
<p>例文3：The study design is summarized in the flow chart shown in Fig. 1.&nbsp; <br />
訳例）試験デザインを図1<ins>に示す</ins>フローチャート<ins>にまとめる</ins>。<br />
→改）試験のフローチャートは図1に示す。（訳例は直訳です。...shown in Fig. 1に対応する日本語本来の表現は何かを意識し集めておくと容易に"意訳"できます。）</p>
<p>例文4：their prednisone dose was reduced by 50% for 3 days. <br />
訳例）用量は3日<ins>にわたり</ins>半減<ins>させていった</ins>。<br />
→改）用量は3日で半減させた。</p>
<p>（2）<strong>医学日本語でなく口語的表現が使用されている。</strong>この場合、漢字化によりひらがなの数を削減。（口語表現か文章表現かについてのあまり意識されていない気がします。日頃の注意力と自己訓練が必要です。）</p>
<p>例文5：the relapse rate for children with JMML may be as high as 50% <br />
訳例）小児での再発率が50％にも<ins>のぼることがある</ins>。 <br />
→改）再発率が50％に達する可能性もある。</p>
<p>例文6：an unexpected finding was...<br />
訳例）予期しなかったこととして<br />
→改）予期せぬ症状/知見/結果として</p>
<p>（3）<strong>訳文型が複雑なため修飾・被修飾関係が入り組んでいる。</strong>この場合、原文から離れリフレーズします。原文の構造に忠実であることと読みやすい文章とは常にイコールではありません。<br />
英語は一文になるべく多くの情報を入れようとするということはこれまでにも述べています。つらつらと訳すとひらがな（特に助詞）の多いダラダラ文となりかねません。下記の改定文のように意味の塊（フレーズ）を意識して訳すと、簡単に簡潔な文を書くことができます。</p>
<p>例文7：A further possible explanation for the transient worsening of the condition of the subjects after re-randomization in the continuation period is the occurrence of adverse events associated with the discontinuation of the study drug in patients who were randomized to placebo.<br />
訳例）試験継続期<ins>に</ins>無作為割付後の被験者の状態が一過性<ins>に</ins>悪化した理由としてはこの他<ins>に</ins>、プラセボ群における治験薬投与の中止に関連する有害事象の発現が考えられるであろう。（助詞「に」が多いため修飾・被修飾関係が捉えにくい） <br />
→改）（試験継続期の無作為割付後）、（プラセボ群の被験者の状態が一過性に悪化した理由のひとつとして）、（治験薬の中止による有害事象の発現が考えられる）。</p>
<p>例文8： There were no clinically significant mean changes in blood pressure or heart rate between baseline and the end-point in any of the groups in any of the study phases.<br />
訳例）いずれの群・試験期においても、血圧および心拍数のベースラインからエンドポイントまでの臨床的に意義のある平均変化は認められなかった。<br />
→改）（いずれの群または試験期においても）（ベースラインからエンドポイントに至る期間の）（血圧および心拍数の平均値に）（臨床的に意義ある変化は認められなかった）。</p>
<p>ひらがなは語や句がその他の語や句とどのような位置関係にあるかを示すものです。しかし、実際に使われる種類は案外と少ないものです。よって、頻用される「は、が、を、の、に、と」が何と何の関係をどのように規定しているかが一読して分かる文章でなくてはなりません。</p>
<p>たかがひらがな、されどひらがな。ひらがなは訳者の責任です。</p>]]>
    </content>
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    <title>第10回：読みやすさへの工夫 5（長い日本語文）</title>
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    <published>2010-09-14T09:49:28Z</published>
    <updated>2010-10-06T09:31:52Z</updated>

    <summary>今回もいささか難しいお話です。 日本語文は、文を長くする装置がないため、多くの文...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <category term="takumi" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p>今回もいささか難しいお話です。<br />
日本語文は、文を長くする装置がないため、多くの文はシンプルな構造をしています。</p>
<p>「Drug-X は、選択的阻害作用を持つ経口剤である。BBB増殖因子受容体とそのリガンドの結合により増殖シグナルを伝えているが、Drug-X はその BBB の選択的アンタゴニストであり、○○腫瘍に有効であると考えられる。このように Drug-X は、T細胞に選択的に作用するという新規作用機序を持つことから、既存薬とは異なる有効性および安全性のプロファイルをもつと期待される。」</p>
<p>このように日本語文は、「&hellip;は&hellip;である」「&hellip;は&hellip;であり&hellip;である」「&hellip;は&hellip;ではあるものの&hellip;である」など、単文か、途中の転調が一度ないし二度の簡単構文がほとんどです。<br />
一方、英語はたくさんの情報を一文に入れ込むためいろんな長文装置が備わっています。</p>]]>
        <![CDATA[<p> We determined the IC50 values of RTI-4793-14 and several reference  compounds <span style="color: rgb(255, 0, 0);">[PCP, (+)-MK801 and indatraline]</span> for PCP site 1 <span style="color: rgb(0, 0, 255);">(assayed with  [3H](+)-MK801)</span>, PCP site 2 <span style="color: rgb(0, 0, 255);">(assayed with [3H]TCP in the presence of 500  nM (+)-MK801)</span> and a variety of BAT-related measures <span style="color: rgb(0, 0, 255);">([3H]CFT binding to  the DA transporter, [3H]nisoxetine binding to the norepinephrine  transporter, [3H]dopamine uptake, [3H]serotonin uptake)</span>.</p>
<p>この文には、主文と 4箇所のカッコ<span style="color: rgb(255, 0, 0);">［　］</span><span style="color: rgb(0, 0, 255);">（　）</span>があり、5つの情報の塊から構成されていることが分かります。<br /> 英語では、接続詞や関係代名詞にとどまらず、カッコ、ダッシュ、カンマ、コロン、セミコロン、引用符といくつもの装置が備わっています。テキスト全体でこ うした装置がいくつも使われていることを考えると、英語の文章がたくさん違った情報の塊から成っていることが理解できるでしょう。</p>
<p>さて、問題は、長い英文を日本語に訳す場合、学校文法通りに処理してよいかということです。</p>
<p>A number of in vitro studies have been conducted to characterize the  pharmacological activity of Drug-B.&nbsp; Drug-B is a high-affinity ligand  for human and mouse BL T2 and activates Gq and Gi family G proteins, as  shown by its ability to displace radiolabeled BL T2 agonists, with an  IC50 of &hellip; nM for human BL T2 and &hellip; nM for mouse BL T2. </p>
<p>一般的な訳としては、<br /> 「Drug-Bの薬理活性の特徴を検討するため多くのin vitro試験を実施した。Drug-Bは、ヒトBL T2に対する IC<sub>50</sub> が &hellip;  nM、マウス BL T2 に対する IC<sub>50</sub> が &hellip; nMであって、放射標識 BL T2 アゴニスト置換能が示す通り、ヒトおよびマウスBL  T2に対する高親和性リガンドであり、Gq 及び Giファミリー等の Gタンパク質を活性化する。」<br /> といった感じでしょうか。</p>
<p>情報追加のため（＝1文の意味内容を豊かにするため）&quot; &hellip;, as shown by &hellip;,&quot;と&quot;with an  IC50&quot;という装置が使われています。学校文法通りに訳すと「Drug-Bは、IC50が &hellip; nMであり、BL  T2アゴニスト置換能が示す通り、高親和性リガンドである」となります。</p>
<p>ここでの問題は、このように訳したとき、重要性の順序が乱れているということです。<br /> 英語文では（Drug-B is a high-affinity ligand）、（as shown by its ability  to）、（with an IC50 of &hellip;  nM）という&quot;表出順&quot;となっています。つまり、読み手の理解が早くなるよう、大きなテーマからより小さなテーマへと提供される情報が移行しているのです （強調のため、その真逆の例もありますが）。順序としては、（Drug-B は BL T2 に対する高親和性リガンドである） （その性質は，BL  T2 アゴニスト置換能に示される） （IC<sub>50</sub> は &hellip; nMである）といった基本情報から詳細情報へと流れるほうが望ましいのです。</p>
<p>リライトすると（和訳することによる制限から理論通りにはいきませんが）、<br /> 「Drug-Bは、放射標識BL T2アゴニスト置換能により示される通り、ヒトおよびマウスBL T2に対する高親和性リガンドであり、ヒトBL T2に対するIC50は &hellip; nM、マウスBL T2に対するIC50は &hellip; nMである。」<br /> こうすれば基本情報から入り、その詳細へと話が展開することになります。</p>
<p>もうひとつ例を挙げると&hellip;</p>
<p>Laboratory evaluations were performed on archived samples from completed  placebo-controlled Drug-C clinical trials for which pre- and  post-treatment blood samples collected at pre-determined time points  were available. </p>
<p>これを学校文法通りに訳すと for which 以下が先に表出されることになりますから、<br /> 「Drug-C 治療開始前と開始後の所定の時間に血液試料を採取した、完了したプラセボ対照Drug-C臨床試験からの保管試料について臨床検査評価を実施した。」<br /> となります。</p>
<p>しかし、和訳での情報の表出順は、英語文のそれとは逆です。よって、リライトしてみます。<br /> 「既に完了しているDrug-Cのプラセボ対照比較試験から採取し保管しておいた血液試料を用い臨床検査値の評価を行った。試料は、Drug-C 治療開始前と開始後の所定の時間に採取されている。」<br /> 大きなテーマから小さなテーマへと移行していますから、読み手にわかりやすい文になっていると思います。</p>
<p>もし、途中の追加情報が短いものであれば学校文法通りで問題はありません。読み手は、その情報がどの語彙を修飾しているかがすぐに分かりますから、違和感を感じることはないでしょう。<br /> しかし、挿入文／句が長い場合、訳出する順序が英語と逆になり、テーマの流れが混乱してくるようであれば、訳に工夫が必要となるということです。</p>
<p>ただし、表出順を変えた和訳文を back  translation（英&rarr;日に翻訳したものを、もういちど英訳すること）するとなると大変です。この場合、英語内容のテーマが大きなものから小さなも のへと流れるよう、表出順も戻す必要があることを覚えておかなくては元の英語には戻れません。<br /> なお、日本語は短文の連続が多いので、このような日本語を英訳する場合は、複数文を 1文として訳す技術が時に必要となりますが、それは別の機会とします。<br /> 以上、読みやすさの工夫のひとつでした。<br /> </p>]]>
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    <title>第９回：読みやすさへの工夫 4（文末動詞の工夫）</title>
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    <published>2010-08-10T03:05:05Z</published>
    <updated>2010-09-15T00:44:13Z</updated>

    <summary>今回はいささか難しいお話です。学校では、英語 S＋V＋O＋C を日本語に訳すと「...</summary>
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        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p><br />今回はいささか難しいお話です。<br />学校では、英語 S＋V＋O＋C を日本語に訳すと「（主語）<ins>は</ins>（目的語）<ins>を</ins>（補語）<ins>に</ins>（他動詞）<ins>する</ins>」と教わります。<br />自動詞でなく他動詞の場合、そのまま訳すと直訳であれ意訳であれ、動詞は末尾にきますから、「（<em>動作</em>）する」となります。<br />これでよい場合とそうでない場合があります。原文に忠実に訳すよう求められた場合は特に工夫する必要はありませんが、日本語として独立して読めるよう求められるとややこしくなります。<br /><br />まずは一度ザッと訳し（1次訳）、その後、全体を読み下しつつ日本語としてオカシクない文章とします（2次訳）。この 2次訳は、原文を離れることですから、訳者にとっては勇気のいることですし、二度訳となるため時間もかかります。ただし、翻訳とはなにかを考えている訳者としては例え時間がかかっても是非心がけてほしいことです。<br /><br />日本語動詞で多用される文末のカタチは be動詞で訳せる「である」と受身形の「される」です。一方、英語動詞で多い表現は do動詞「する」であり、medical writing では We が省略された受身形「される」も多用されます。<br />英文が be動詞であればそのまま訳せばよいでしょう。<br />Objective tumor response is a common endpoint in clinical trials to evaluate the efficacy of anti-cancer agents. <br />とあれば &quot;腫瘍縮小効果は抗がん剤治療効果のエンドポイント<ins>である</ins>&quot; のように。<br /><br />日本文には受動の意味ではなくカタチだけの受身形があります。&quot;&hellip;を目的に<ins>実施される</ins>試験である&quot;、&quot;&hellip;を示唆するものと<ins>考えられる</ins>&quot;。これらは一種の謙譲表現であり、書かなくともよい表現ですから、訳す時、それらに引きずられないよう注意します。<br />受動ではあるが、自明であるため主語が省略される受身形もたくさんみられます。英語でも、主語が自明である場合には頻繁に受身形が使われます。一般論として英語は能動形が好ましいのですが、We が主語である場合は受身形で訳してなんら問題はありません。英語の受身形を訳す場合はそのまま受動の意味で訳す場合と &quot;We/我々&quot; を主語として能動の意味で訳す場合とがあります。<br /><br />例：Baseline disease severity <ins>was assessed </ins>using the 17-item Hamilton Rating Scale for Depression. <br />　　&quot;ベースラインの重症度は Hamiltonうつ病評価尺度 17項目版により<ins>評価</ins><ins>されている</ins>。&quot;<br />　　&quot;ベースラインの重症度は Hamiltonうつ病評価尺度 17項目版を用いて<ins>評価した</ins>。&quot;<br /><br />いずれを採るかは場により適宜選択することになります。<ins>英語の受身は常に日本語でも受身に訳すものではない</ins>ことさえ覚えておけばよいという意味です。<br /><br />さて、特に注意が必要となるのは能動形の文です。直訳した場合、訳文が日本語として見られない表現となる場合です。英語と日本語では動詞の種類／数に違いがありますが、これは動詞の使い方に差のあることを示しています。ですから辞書訳した動詞が日本語として使用されない表現であると日本語の<ins>ニュアンス</ins>として違和感を与えることが少なくないのです。<br /><br />例：The recent development of new classes of anti-cancer agents and progress in imaging technology have <ins>required </ins>new methodology to evaluate response to treatment. <br />　　&quot;&hellip;の発達が新たな方法論を<ins>必要とした</ins>。&quot; <br /><br />例：Adding plaque and carotid intima-media thickness (CIMT) to traditional risk factors (TRF) <ins>improved </ins>coronary heart disease (CHD) risk prediction in the risk assessment study. <br />　　&quot;リスク評価試験では、プラークと CIMT の TRF との併用<ins>が</ins> CHDリスク予測を<ins>向上させた</ins>。&quot;<br /><br />直訳でも違和感のない場合はそのままの訳で構いません。しかし、&quot;&hellip;を必要とした&quot;&quot;&hellip;を向上させた&quot;といった動詞で終わる文は、Native Japanese にこだわりのあるクライアントにとって違和感のある文体であればリライトしなければならなくなります。<br /><br />対処法ですが、お勧めはふたつあり、そのひとつは動詞を名詞化することです。&quot;方法論の必要性&quot;、&quot;リスク予測を向上&quot;と名詞化し、それからリライトするのです。なんとなく書けそうな気がしませんか。<br /><br />例：atients who responded to the drug<br />　　薬剤により<ins>改善する患者<br /></ins>　　vs.<br />　　<ins>改善例</ins>/有効例<br /><br />例：The IRB at each site approved the study protocol before the study began.&nbsp;<br />　　IRB は&hellip;を<ins>承認した</ins><br />　　vs.<br />　　IRB <ins>の承認は</ins>&hellip;に得られた。<br /><br />もうひとつのお勧めは、&quot;である&quot;形の使用です。&quot;である&quot;は日本語の一番おちつく文型です。<br /><br />例：The ANCOVA model included baseline&hellip;&nbsp; <br />　　ANCOVAモデルにはベースライン値、&hellip;等を<ins>含めた</ins><br />　　vs.<br />　　ANCOVAモデルに<ins>算入したのは</ins>ベースライン値、&hellip;等<ins>である</ins>。<br /><br />例：All but 1 participant (n = 149) agreed to enter the double-blind continuation phase. &hellip;&nbsp; <br />　　1例以外の全被験者（n＝149）が二重盲検治療継続期に進むことに<ins>同意した</ins><br />　　vs.<br />　　二重盲検治療継続期へ進むことに<ins>同意したのは</ins>、1例を除く全被験者（n＝149）である。<br />　　あるいは、この1次訳から2次訳として、<br />　　&hellip;進むことへの同意は、1例を除く全被験者（n＝149）から得られた。<br /><br />英語を辞書的に置換するのが翻訳ではありません。あくまで訳文が日本語として違和感のないものとします。上に挙げた対処法はあくまで例えばの話ですから自身のテクニックを考えてみて下さい。<br />ともあれ、そうした対処を1次訳として行った後、全体を見直ししつつ2次訳をすると読みやすい文章とすることができます。<br />&nbsp;</p>]]>
        
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    <title>第８回：読みやすさへの工夫 3（てにおは助詞）</title>
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    <published>2010-07-14T00:51:45Z</published>
    <updated>2010-08-10T03:04:56Z</updated>

    <summary>文は語彙から成り立っていますが、日本語と英語の表記上の違いから一番訳者を悩ますも...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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        <![CDATA[<p><br />文は語彙から成り立っていますが、日本語と英語の表記上の違いから一番訳者を悩ますものが日本語の助詞です。<br />英語は文中の位置によりそれぞれの語の役割を示していますが、日本語では位置よりも助詞とくっつくことにより意味を表します。そのため直訳による和訳ではたくさんの助詞が現れ、特に、単語数が多くなるとダラダラした文となります。<br /><br />助詞は&quot;自立語に付いて自立語同士の関係を表したり対象を表したりする&quot;ものですが、特に体言に付く格助詞「を・に・が・の・と・にて・へ・して・から・より」は文意の中核を成す語彙に付く重要な助詞です。<br />格助詞の他にも2つのものを並立させる並立助詞、文や句の末尾に付く終助詞、文節末尾に付いて語調を整える間投助詞、副詞的に働く副助詞、付いた語の意味を強調する係助詞、文と文を接続する接続助詞などがありますが、困ったことに助詞については分類そのものも用法にも標準語として確立したものはありません。ですから深入りはできませんし、その使用法は個々人の日本語力にまかされることになります。<br /><br />和訳ではまず直訳（一次訳）をし、続いて review しつつ二次訳を行いますよね。一次訳で完成することはないでしょう？　通常、一次訳では助詞の数が多くなり、とても読めたものではありません。名詞や形容詞の訳がたとえ訳する人全員で同じであったとしても、訳者それぞれの言語感覚によりニュアンスは様々となります。つまり、スラスラ読める文章とするには助詞に対する感性が大きく関わってくるのです。<br /><br />例をみてみましょう。<br /><br />These findings raise several obvious questions of clinical interest.<br /><br />「これらの知見<ins>から</ins>いくつか<ins>の</ins>明らか<ins>に</ins>臨床的<ins>に</ins>興味深い疑問<ins>が</ins>生じる。」<br /><br />この訳文には引っ掛かりがあります。「に」の重なりも含め助詞のリズムをとりづらく、どこを修飾しているか分かりにくいこと、「知見から明らか」ではないようだし、「明らかに興味深い」なのか「明らかに生じる」なのか、また、「興味深い疑問」という聞かない表現があるなど、一度読んだだけでは分かりにくいのです。<br /><br />同じ community language を使う者同士では、誰しも似たようなパターン（文型）で作文しているものです。ですから、読みながら次にくる語彙を予測しています。その予測と違うとウン？となるのです。これが、直訳がオールマイティでない理由です。<br /><br />まずは、基本的に、助詞の連続は「の」を除いてしないことです。リライトのコツは語彙の括り方です。<br />「臨床的に興味深い疑問」ではなく「臨床的に重要な問題点」と慣用表現へ二次訳しておき、「これらの知見からいくつか<ins>の</ins>（臨床的<ins>に</ins>重要<ins>な</ins>問題点）が提起されてくる。」とすれば助詞「の－に－な－が」のリズムも一般的なものとなり理解しやすい文となります。<br /><br />もうひとつ例。<br /><br />A phase 2 study can target a wide-range of subject groups in order to obtain preliminary evidence of efficiency in patients with various stages of the disease to be targeted. <br /><br />まずは直訳すると、「第II相試験<ins>は</ins>予定<ins>される</ins>対象疾患<ins>における</ins>様々な病相の患者<ins>での</ins>有効性<ins>の</ins>予備的証拠<ins>を</ins>得るため幅広い患者集団<ins>を</ins>対象<ins>とする</ins>ことができる。」<br /><br />英語は一文をなるべく長くしようとします。長い文は助詞の数が多くなり、増えれば増えるほど読み手は語彙の修飾－被修飾関係を考えながら読まなくてはいけません。当然、正しい・正しくないの問題ではなく、理解に時間がかかるというデメリットが生じます。そこで読みやすくするための二次訳を行います。まずは括りなおしです。<br /><br />「（第II相試験は）（予定される対象疾患における様々な病相の患者での）（有効性の予備的証拠を得るため）（幅広い患者集団を対象とする）（ことができる。）」<br /><br />訳には訳者の意図が入ります。それは文の末尾で決まるのですが、ここでは次の2文型が可能です。<br /><br />（1）「第II相試験は幅広い患者集団を対象とする試験である。」<br />（2）「第II相試験は有効性の予備的証拠を得るための試験である。」<br /><br />この2文型にあわせてリライトすれば、<br />（1）「（第II相試験<ins>とは</ins>）、（標的疾患に対する有効性のエビデンスを予備的に得る<ins>ため</ins>）（様々な病相を示す患者を幅広く対象）<ins>とする</ins>試験<ins>である</ins>。」<br />または、<br />（2）「（第II相試験<ins>とは</ins>）、（様々な病相を示す標的疾患患者を幅広く対象<ins>とし</ins>）（有効性についての予備的エビデンスを得る<ins>ための</ins>）試験<ins>である</ins>。」となります。<br /><br />やり方としては、以上のように意味的に括れる内容をグループ化すると、各グループの末尾がひとつの区切りを示す助詞で終わることになります（は－ため－とする－である；は－とし－ための－である）。これにより意味の区分が明確となり、文構造が簡易化され、助詞の数を削減できます。<br /><br />なお、文の終わり方（末尾）は、続く文にどのような内容がきているかにより決まります。<br />以上をまとめると&hellip;</p><ul><li>助詞にも読み手が期待する順番がある。</li><li>内容を括りグループ化する。</li><li>結果として助詞の数を減らせる。</li></ul><p><br />これらを可能にするためにも医学日本語文を（リズムをとりながら）たくさん読み、文型のデータベースを豊富にしていってください。<br />&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
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    <title>第７回：読みやすさへの工夫 2（主語の助詞）</title>
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    <published>2010-06-08T01:40:07Z</published>
    <updated>2010-06-09T02:48:16Z</updated>

    <summary>前回に続き英語から日本語への訳について考えてみます。訳というと誰が訳そうと同じ文...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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    </author>
    
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        <![CDATA[<p><br />前回に続き英語から日本語への訳について考えてみます。<br /><br />訳というと誰が訳そうと同じ文になると思われるかもしれませんが、そうでもありません。<br />訳をした場合に訳者の日本語感覚が出てくるのが日本語でいう助詞です。S+V+O+Cとあれば「（主語）は（目的語）を（補語）に（動詞）する」といった助詞のことです。学校の英語の授業は英文法についての話ですから、日本語の助詞について学ぶことはないでしょう。よって、少しややこしく思われるかもしれません。そういうこともあるのか、くらいの感じで読んでください。<br />この「は&hellip;を&hellip;に&hellip;」という助詞の使い方は授業ではよいのですが、社会一般での文章や医学日本語では案外そうとはなっていません。今回は、主語（日本語文法では「主格」）について考えてみます。<br />日本語に主語はいらないといった目を引く言い方をする方もおられます。しかし、日本語にも主語はあります。ただ、いつも「は／が」で表現されるものでもなければ、表現されないこともあるだけで存在はしているのです。つまり、日本語と英語の主語は、表現法が同じでないというだけの話です。<br /><br />では、訳の場合はどうなるのでしょう。訳ですから、英語の主語を訳出しなくてはなりません。日本語の主語は、「は／が」と訳す場合が多いのは事実です。が、それ以外にも「によれば」「を」、「について／関して」など案外、バラバラな訳となっているものです。<br />日本語原稿が「糖尿病の発症機序や病態<ins>に関しては</ins>、インスリン分泌の障害とインスリン作用の障害の両面からとらえる必要がある。」となっている文では、「糖尿病の発症機序や病態は」と同じことなので、英訳も Regarding, As for, Concerning などで始めてはいけません。口調を整えるための日本語のレトリックですからね。<br />「は／が」は、英語の主語が人の場合には問題がないようです。しかし、非人称の場合は様々に訳せます。<br /><br />短い例文をみてみましょう。<br /><br />Conclusion: Application of an AED in communities is associated with nearly a doubling of survival after out-of-hospital cardiac arrest. These results reinforce the importance of strategically expanding community-based AED programs.<br /><br />&quot;直訳&quot;してみると、&quot;（病院でなく）一般社会における AED の適用は、院外心停止後の生存率がほぼ 2倍上昇することに関連していた。これらの結果は、地域ベースの AED プログラムを戦略的に普及する重要性を強調している。&quot;となります。<br />これで訳として問題はありません。しかし、いずれもネイティブ日本語ではありません。&quot;その結果は重要性を強めるものである&quot;とは訳の世界の表現形であり、一般的に使われないからです。<br /><br />そこで、日本語のニュアンスを変え、著者の意図をより正確に記述する工夫をこらします。それは、その人の日本語感覚により決まってきます。<br />日本語は、あいまい文法と呼ばれるくらい定則がありません。文法よりも訳者の言語感覚が良し悪しを決めるのです。<br /><br />特にその技量が試されるのは、主語が非人称名詞の場合です。英語で非人称の主語がくるのはごく普通です。上の例では Application is associated と Results reinforce がその例です。それをそのまま訳すと、訳だからと開き直ることはできても、日本語のニュアンスのうえでズレを生じたり、スッと頭に入ってこない文となったりします。<br />医学日本語の場合、文として落ち着くのはやはり人が主語となることです。ですから、（1）&quot;人&quot;を表出するか、自明の場合は省略した間接表現とします。&quot;（病院でなく）一般社会に AED を設置<ins>することにより</ins>院外心停止後の生存率をほぼ 2倍に上昇<ins>させる</ins>ことができた。&quot;とすると&quot;我々が設置した&quot;こととなり、著者の行ったことの目的と成果が明確となります。<br /><br />続く文も人が存在しない文ですから、人称主語をとれないケースです。主語を「は／が」としない方法の他に（2）動詞reinforceを細工（意訳）する方法があります。<br />&quot;これらの結果<ins>から</ins>、戦略的に院外を基本とした AED プログラムを普及させることの重要性が（reinforce the importanc）<ins>さらに高まった／より一層明らかとなった</ins>。&quot; <br />内容的に解釈した意訳ですね。日本語慣用表現とするための細工です。<br /><br />例をもうひとつ。<br /><br />Conclusion: Adding plaque and carotid intima-media thickness (CIMT) to traditional risk factors improves coronary heart disease (CHD) risk prediction in the Atherosclerosis Risk In Communities (ARIC) study<br /><br />文型は（S）Adding （V）improves （O）risk prediction です。直訳すると&quot;ARIC 試験では、プラークと CIMT を traditional risk factors を組み合わせることが CHD リスク予測を向上させた。&quot;となります。<br /><br />この文も非人称主語ですが、&quot;加えることが向上させた&quot;では座りがよくありません。動詞に細工をしてみます。&quot;ARIC 試験では、CHD リスク予測において、プラークの有無と CIMT をtraditional risk factors と組み合わせることによりその精度を上げることが<ins>できた</ins>。&quot;（つまり、「我々」は試験の目的を達成できた、というニュアンス。）<br />要因の組み合わせにより精度をあげたのは「我々」です。主語の&quot;組み合わせることが&quot;に代わり（表出しない）&quot;我々が&quot;を主語とすることにより文の内容に主体性を持たせることができるのです。<br /><br />医学日本語と英語では表現形が違い、言葉で We が表出されていなくとも内容は We であることが結構あります。それを見分け、主体性を持たせると読み手に対するインパクトが強くなります。&quot;～を組み合わせること<ins>が</ins> CHD リスク予測を<ins>向上させた</ins>。&quot;と&quot;組み合わせること<ins>により</ins> CHD リスク予測を精度を<ins>上げることが</ins><ins>できた</ins>。&quot;とでは明らかに意味の伝わり方が違うでしょう。<br />英語は動詞の種類が多いのです。それにより非人称の名詞が主語である文が多くなります。<br /><br />翻訳した文が日本語の慣用表現か否かを考え、必要に応じ、主語か動詞をリアレンジすると読み手に優しい文章を書くことができるようになりますよ。<br /><br />&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
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    <title>第６回：読みやすさへの工夫 1（語彙）</title>
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    <published>2010-05-11T00:35:18Z</published>
    <updated>2010-07-14T00:51:36Z</updated>

    <summary> 今回からしばらく英語から日本語に訳した場合の読みやすさについて触れてみます。 ...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p><br />
今回からしばらく英語から日本語に訳した場合の読みやすさについて触れてみます。<br />
翻訳ですから、まずは、単語からです。<br />
<br />
単語にはtechnical term（学会・業界）と一般語があります。Technical term は一種の記号のようなものです。<br />例をあげて説明すると、火事の時に掛けると消防車が飛んでくることの符号は、日本では 119番ですが、アメリカでの符号は911番になります。これらの 119番と 911番は符号として一致していません。<br />しかし、technical term は、辞書やガイドラインを通して日英語が対応し、国に関係なく意味が伝わる記号となっています。例えば、CMC の分野で specificity とあれば「特異性」と表現され、&quot;共存が予想される不純物、分解物、配合成分等の存在下で、分析対象物を正確に測定できる能力のことである&quot; ことだと理解できますし、in vitro cell age とあれば「in vitro 細胞齢」と表わすことにより &quot;マスター・セル・バンク（MCB）の融解時より、製造容器から培養細胞（又は培養液）をハーベストするときまでの時間的尺度で、培養期間、細胞数倍加レベル（PDL）又は培養細胞液を一定の倍数で希釈して継代する場合の細胞継代数で示される&quot; ものであることが分かるようになっています。つまり、technical termは、知識として知っていれば済む問題です。<br />
<br />
読みにくさに関係するのは一般語です。Technical term と違い、辞書にある一般語の符号は、国際的合意のなされているものではありません。あくまでその国の言葉の中であえて当てはめればといった表現であり、辞書にある語彙が訳語として常に適切かどうかは分からないのです。<br />翻訳経験の浅い方の中には、翻訳＝辞書訳（辞書にある訳語から選択する）と勘違いされている方がおられますが、その意識は変えていかなくてはなりません。<br />
<br />
Over the subsequent 6 weeks, the <ins>implementation</ins> of border-control <ins>measures</ins> -- including <ins>requirements</ins> that travelers entering Australia declare whether they have symptoms of influenza or have been in contact with <ins>someone</ins> with severe respiratory illness and that contacts of persons with known influenza e traced -- gave the health care <ins>community</ins> time to <ins>learn</ins> more about the <span style="border-bottom:double;">natural history</span> of the new influenza strain.<br />
<br />
下線を引いた語彙は、訳の自由度の高い語彙（＝一般語）です。内容は、WHOによるパンデミック警戒発令を受け、オーストラリアが入国管理を実施した結果を要約したものです。<br />
<br />
一例をあげますと、natural history of the new influenza strain を &quot;新規インフルエンザ株の<ins>歴史</ins>&quot; または &quot;新型インフルエンザ菌株の発生<ins>履歴</ins>&quot; のように訳すことを辞書訳といいます。<br />
警戒発令から6週間、オーストラリア国内でインフルエンザの広がり具合や菌の分析から菌株の変遷を追跡したという内容であり、history とは歴史でも履歴でもありません。<br />Dictionary における history の説明は、a continuous, systematic narrative of past events as relating to a particular people, country, period, person, etc, usually written as a chronological account （dictionary.com）ですから、ワンパターンに&quot;歴史&quot;と訳すのではなく、continuous, systematic narrative of past events を場に合うようリライトするのです。辞書訳に拘らないことが単語訳についての最初の留意点となります。<br />
<br />
次に留意すべき点は、名詞にくっつく&quot;の&quot;や&quot;で&quot;といった助詞の使い方です。名詞の後には&quot;の&quot;や&quot;で&quot;がよく続きますが、それだけでは内容に欠けた、意味のとりにくい訳文となりがちです。&quot;菌株分類・保存の歴史&quot; といったものなら意味は明瞭ですが、&quot;新規インフルエンザ株の歴史／履歴&quot;と訳すと&quot;なんだろう&quot;と読み手は混乱します。特に、&quot;の&quot; は助詞の中でも用法が複雑な助詞です。気をつけなくてはいけません。<br />
<br />
他の例をみてみます。<br />
<br />
Conclusions: <ins>Application</ins> of an AED <ins>in communities</ins> is <ins>associated with</ins> nearly a doubling of survival after <ins>out-of-hospital</ins> cardiac arrest. <ins>These results</ins> <ins>reinforce</ins> the importance of <ins>strategically</ins> expanding <ins>community-based AED programs</ins>.<br />
<br />
例えば、community-based AED programs は、直訳すると &quot;地域ベースのAEDプログラム&quot;となりますが、これだけでは意味がとりにくいですね。&quot;の&quot; だけでは不十分なのです。<br />
英語は、語順で内容を伝えるものです。それを簡単に（下線部）&quot;AEDの適用&quot;、&quot;院外心停止後の生存率&quot;、&quot;地域ベースの AED プログラム&quot; などとすると分かりにくいのです。なぜなら、次に説明するように、日本語では、意味形成の補助をするニカワのような表現が必要となるからです。<br />
<br />
そこで、第三の留意点として、咀嚼という技術が必要となってきます。例を挙げます。<br />
上記 AED に関する文章では、下線部が問題を起こしそうな一般語です。まずは辞書訳をしてみます。次のようになるでしょう。<br />
<br />
&quot;<ins>地域社会</ins><ins>における</ins> AED の<ins>適用は</ins>、<ins>院外</ins>心停止後の生存率がほぼ2倍上昇することに<ins>関連していた</ins>。<ins>これらの結果は</ins>、<ins>地域ベースの AED プログラム</ins>を<ins>戦略的に普及する</ins>重要性を<ins>強める</ins>ものである。&quot;<br />
in communities&quot; を &quot;地域社会における&quot; と訳して問題はありません。しかし、&quot;地域社会における AED の適用&quot;となると読み手の解釈・想像が様々となり、著者として意図するところを伝えられません。<br />
同様に、out-of-hospital を &quot;院外&quot; とするのはよいのですが、&quot;院外心停止後&quot; となると読み手は、あまり使わない表現であるため、&quot;院外、院内、なんだろう&quot; と考えなくてはなりません。<br />
is associated with は &quot;関連していた&quot; ですが、&quot;地域社会における AED の適用は&hellip;関連していた&quot; は日本語として自然語ではありません。<br />
<br />
Medical writing は小説ではないので、誰が読んでも単一の解釈とならなくてはなりません。読み手の解釈が一定しないのは文章としてはマズイのです。よって、原文を咀嚼した訳が大切となります。<br />
咀嚼ですから、訳者それぞれにリライトしてよいのですが、上の辞書訳と対比しつつ読んでみてくだい。<br />
<br />
&quot;社会のあらゆる場所に AED を設置することにより、病院（という治療可能な場所）以外の場所で心停止を起こした場合の生存率をほぼ 2倍とすることができた&quot;。<br />
<br />
These results は &quot;これらの結果&quot; ですが、日英語の違いとして、&quot;これらの結果は&quot; とせず &quot;この結果は&quot; とします。<br />
reinforce は &quot;強める&quot; ですが、&quot;この結果は、&hellip;の重要性を強めるものである&quot;は英語的日本語表現ですから、日本語としての自然語表現に変えてあげます。&quot; この結果は、病院から地域へ AED プログラムを戦略的に拡大することの重要性を強く示唆するものである&quot;で読みやすくなりませんか。<br />
<br />
以上、辞書訳にこだわらず、語の組合せを理解しやすいものとし、表現全体を、意味を咀嚼した自然語とする、というのが今回のポイントです。<br />
&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
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    <title>第５回：Phrase（前置詞/副詞句）の位置</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.asca-co.com/takumi/2010/04/5phrase.html" />
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    <published>2010-04-14T02:55:00Z</published>
    <updated>2010-05-11T01:13:42Z</updated>

    <summary>日本語の語順には、極端に言えば、動詞が末尾に来ることも含め、絶対的なルールがあり...</summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p><br />日本語の語順には、極端に言えば、動詞が末尾に来ることも含め、絶対的なルールがありません。つまり、助詞により区切られる意味の単位＝フレーズは、文のどの位置にあっても言葉として成立することができます。<br /><br />今回は、日本語の表記順に英訳すると意味があいまいになるphraseの位置についてのお話しです。<br /><br />翻訳をされている方々の印象として、主語から始まる英語を日本語に訳しているせいか、日本語も &quot;は&quot;、&quot;が&quot; で始まると思われている方も多いことでしょう。しかし、日本語では、主語が &quot;は&quot;、&quot;が&quot; 以外の表現でなされたていたり、省略されたりするため、文の開始はバラエティに富んだものとなっています。例えば、&quot;近年、日本では...&quot;、&quot;化学療法の進歩に伴い...&quot;、&quot;本治験の結果に関連して...&quot; など後にどのような内容が続くのかピリオドまで読まないと分らない文が結構あります。これは、日本語が文全体を読んだ後に解釈するという特徴からきています。つまり、文頭にこようが、文中にこようが意味に影響がないのです。<br /><br />しかし、原稿そのままの語順で訳すと、英語文の開始に前置詞/副詞句がくることになります。そして、その phrase がどこを修飾するのかは読み手が考えなくてはならなくなり、英語で大切な &quot;accurate writing&quot; を損なわれることにもなります。<br /><br />（例1）「発現した有害事象については，治験終了時に回復又は軽快していない場合，治験終了後も可能な限り追跡調査を行った。」<br />（訳例）Regarding adverse events occurred, when patients did not recover or failed to substantially improve by the end of the study, they were followed as far as possible even after study completion. （※意図的に訳しています。以下、同じ）<br /><br />Regarding が浮いてしまっているのが分るでしょうか。ちなみに、Regarding adverse events の表現でサイト検索し、文のどの位置にあるかを確認してみてください。勿論、先頭もあります。しかし、本来、文中/文末に書かれるものであることが理解できます。<br />もし、次のように、Prior to the start of the study, が文全体を修飾しているのであれば先頭にきても問題はありません。<br /><br />（例2）「試験開始に先立ち、試験責任医師は、被験者となるべき者に下記の内容について、試験責任医師が作成し、試験審査委員会の承認を受けた説明文書および同意文書に基づいた説明を十分に行ない、患者に説明文書を手渡さなくてはならない。」<br />Prior to the start of the study, the investigator will explain details of the clinical trial to each prospective subject in accordance with a document to be used for explanation of study (&quot;written information&quot;) and consent form approved beforehand by the IRB, obtain his or her informed consent in writing, and provide a copy of the signed and dated consent form to the person signing consent. <br /><br />しかし、直訳により問題となる前置詞/副詞句が文の先頭にくる例は山ほどあります。<br /><br />（例3）「日本では、...の報告例が少ないため、今回、小規模な試験を行なった。」<br />In Japan, in view of a small number of reports, a survey was carried out to establish an early recognition and detection of increased cases of communicable diseases and a small-scale trial was conducted to obtain supporting evidences that must include:<br /><br />この場合、In Japan, は全文を修飾する訳となっていますが、著者の意図として、in Japan は a survey のみに掛かるものです。この字面訳では、読み手が誤った理解をしてしまう可能性があります。<br /><br />（例4）「プラセボ群と比較し、被験薬群での脱落例は少なく、...との結論が得られた。」<br />As compared to placebo group, significantly fewer patients withdrew from the Drug-X group (ranging from 36% to 38.6%) and it was concluded that ...<br /><br />このように訳すと、読み手に対し compared と concluded との関係を解釈するよう求めることになります。文章として &quot;accurate writing&quot; ではありません。<br /><br />他にも、In 2006, ...、Because...、Concerning... などと書き始めると、途中までがそうなのか、文末までなのか読み手は考えこむことになります。<br />会話の中で &quot;Talking about...,&quot; といきなり言われたらやはり困りますよね。<br /><br />対策は、考えれば分るだろうと言わなくて済むように翻訳することです。（例1）であれば、<br />Any adverse events that remained intolerable or were not substantially improved by the end of the study were followed even after study completion. <br />とでも訳し native check へ回すとよいでしょう。<br /><br />また、語順通りに訳すとこうしたphraseが文中にくることもあります。<br /><br />（例5）「試験の時期は同じでないが、地域社会を対象とした試験と比べても、死亡率に大きな違いは認められなかった。」<br />Although study periods were different, comparing with community-based studies, mortality rates were not too different. <br /><br />この場合、comparing withの位置がよくありません。前後のいずれを修飾するのか読み手に考えることを求めてしまいます。<br />&quot;考えれば分るだろう&quot;はいけません。medical writers の責任として、一気に読み下せる文を書きましょう。<br /><br />日本語で phrase の位置は定まったものではない。文の先頭にきた場合にそのままの表記順で英訳をすると文全体を修飾する。それでよいのかどうかを確認する、というのが今回のポイントです。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>第４回：&quot;However, since&quot;の怪</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.asca-co.com/takumi/2010/03/however-since.html" />
    <id>tag:www.asca-co.com,2010:/takumi//7.289</id>

    <published>2010-03-10T01:48:20Z</published>
    <updated>2010-03-10T02:22:09Z</updated>

    <summary><![CDATA[&nbsp; これまで、英語と日本語の相違点として語順と語尾を例としてあげてきま...]]></summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
        <uri>http://www.asca-co.com/mt/mt-cp.cgi?__mode=view&amp;blog_id=7&amp;id=1</uri>
    </author>
    
        <category term="takumi" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p>&nbsp; <br />これまで、英語と日本語の相違点として語順と語尾を例としてあげてきましたが、文章が長い・短いということもその違いのひとつです。<br />
<br />
英語には、考えを全て表出するという基本ルールがありますから、文を長くするため前置詞、副詞、接続詞、関係詞（関係代名詞、関係副詞、関係形容詞）等色々な&quot;連結&quot;装置が備わっています。<br />
<br />
（例1）I guess <strong>that </strong>just proves <strong>that </strong>the things <strong>which </strong>make a biochemist happy are a little different than those <strong>which </strong>make a pharmacologist happy.　(Biochemical Pharmacology 7:88-95, 1961) <br />
<br />
これに対し、日本語では主に助詞・副詞が文延長の作用を担っています。<br />
英語の装置は、その文法的機能が明確であり、修飾‐被修飾関係も明確であることから意味も明確となるのに対し、日本語の助詞・副詞は意味の解釈が訳者により様々となる可能性があります。<br />
<br />
今回は、訳の上で誤りやすい日本語の末尾をみてみましょう。以下の例文はいずれもそれらしき（意図的な）作文です。<br />
<br />
（例2） 濃縮した化合物溶液（エタノール溶液）とエタノール2.5 mLを混和した。<strong><span style="color: rgb(0, 0, 255);">但し</span></strong><span style="color: rgb(0, 0, 255);">、</span>技術的な問題があったため、実際の溶液濃度は200 mg/mLであった。<br />
A concentrated ethanol solution of the compound (final concentration 75% v/v) was mixed with 2.5 mL of 99.5% reagent-grade ethanol. <strong>However</strong>, the actual concentration of the resultant solution was 200 mg/mL due to a technical error. <br />
<br />
訳自体がどの程度正確かということはさておき、今回の問題は&quot;但し&quot;です。&quot;但し&quot;は however あるいは but と訳されることが多いのですが、文を &quot;However,&quot; でつなぐことにより、前後の文がどのような関係として読み手にとられるかということです。シンプルに書くと、A was mixed with B. However, the actual concentration was 200 mg/mL. です。ここに however が必要かどうかという問いです。<br />
<br />
however の意味は、nevertheless; yet; on the other hand; in spite of that: no matter how: in whatever manner ですから、前後の文にそうした関係がなくてはいけません。もし、前の文に &quot;to prepare a 210 mg/mL solution&quot; とでもなっていれば、&quot;However, the actual concentration was 200 mg/mL.&quot; と &quot;however,&quot; が必要です。しかし、前後に関連性がないのであればこの however はなくてもよいことになります。<br />
つまり、訳した文が英語として成立するか否かを考える必要があります。もし、however 本来の意味が必要でないのなら however は消去してください。<br />
<br />
（例3） 低用量群では、雄1例において投与後24時間目の血漿中濃度がNDで<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><strong>あったため</strong></span>半減期は4例にて計算し、その値は6.78時間であった。<br />
In the low-dose group, the plasma concentration was not obtained in one male at 24 hours postdose, <strong>but </strong>the mean half life for other four males was 6.78 hours.<br />
<br />
あまり深く考えずに訳すとこうしたことも起こりえるという例です。&quot;あったため&quot;が but となっています。日本語から英語にすることに気は使われていても、完成した英語自体が成立しているかが考えられていません。訳す時に一文は一文に訳すものというとらわれがあると、こうした接続詞を使ってしまうことになります。&quot;低用量群では、雄3例において投与後24時間目の血漿中濃度がNDであった。&quot;&quot;半減期は7例にて計算した。その値は6.78時間で<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><strong>あった</strong></span>。&quot;といえるのであれば but や however は必要でなく、文を切ればスッキリします。日本語では、単に視点を変える時にも&quot;でも&quot;とか&quot;しかし&quot;が使われますが、but は前の内容を否定することが主な役目ですから、その使用には気をつけましょう。<br />
<br />
（例4） 血漿中濃度を同一用量群の雌雄で比較すると、1 mg/kg群及び10 mg/kg群では、投与後30分で雌よりも雄で高値となり、投与後2時間では雄よりも雌で高値となった<span style="color: rgb(0, 0, 255);"><strong>が</strong></span>、AUC0-24は同等であった。<br />
In a comparison between males and females in the same dose groups, the plasma concentrations in the 1- and 10-mg/kg dose groups 30 minutes after administration were higher in the males than in the females; whereas 2 hours after administration the concentrations were higher in the females than in the males. <strong>However</strong>, the AUC<sub>0-24</sub> values were approximately the same between the males and females. <br />
<br />
最も気をつけて欲しい接続詞が&quot;が（～であるが、～したが）&quot;です。学校では、&quot;が&quot;は&quot;しかし&quot;の意味だからbut又はhoweverと習っているかもしれません。しかし、そうとは限らないのです。この例では、&quot;however, AUC<sub>0-24</sub>値は雌雄でほぼ同等であった&quot;となっていますが、この場合の&quot;however,&quot;にどういう意味があるでしょうか。&quot;が&quot; は頻出するだけにhoweverと訳すには注意が必要です。必要か必要でないかよく考えてください。<br />
<br />
もうひとつ気をつけてほしいのが&quot;しかし、&hellip;であるため&hellip;である&quot;の文型です。この時の&quot;しかし&quot;に深い意味のないことがあるからです。訳すとhowever, sinceとなりますが、次の例を見てみましょう。<br />
<br />
（例5）先の試験で観察されたとおり、傾眠と悪心の発現率が高用量群よりも中用量群に高い傾向がみられた。しかし、これらの有害事象は他剤でも報告されており、問題はないと考える。<br />
As was noted in the previous report of the product, the incidences of somnolence and nausea tended to be higher at the mid dose than at the high dose. However, since these adverse events are reported with other drugs in the same class, the events are not considered to be problematic. <br />
<br />
この時、前の文と後ろの文との間に論理的一貫性があるかどうかをみます。そして、一貫していない場合には、however を削除できないか、あるいは内容そのものをリライトすべきか否かを考えます。<br />
<br />
（例6） 第三相試験の対照薬として糖質ステロイドが考えられる。しかし、negative feedback effect による間脳－下垂体－副腎系の抑制が問題となる。<br />
Possible comparator drug for the planned phase 3 clinical study of the study drug includes oral glucocorticosteroids. However, since glucocorticosteroids have a negative feedback effect on CRF and ACTH, it is considered impossible to induce serious adverse events associated with dysfunctions of the hypothalamic-pituitary-adrenal axis. <br />
<br />
この場合の&quot;However,&quot; は必要でしょうか。<br />
<br />
&quot;However, since&hellip;&quot; 自体は native表現であり、問題はありません。但し、字面訳で however と訳すのではなく、前後の論理展開に注意し、必要性があるかどうかを考えるというのが今回のポイントです。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>第３回：日本語の語尾</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.asca-co.com/takumi/2010/02/post.html" />
    <id>tag:www.asca-co.com,2010:/takumi//7.282</id>

    <published>2010-02-10T02:55:00Z</published>
    <updated>2010-03-10T01:46:59Z</updated>

    <summary><![CDATA[&nbsp; 前回は日本語と英語の語順に焦点をあて、それらが根本的に違う構造を持...]]></summary>
    <author>
        <name>アスカコーポレーション</name>
        <uri>http://www.asca-co.com/mt/mt-cp.cgi?__mode=view&amp;blog_id=7&amp;id=1</uri>
    </author>
    
        <category term="takumi" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.asca-co.com/takumi/">
        <![CDATA[<p>&nbsp; <br />前回は日本語と英語の語順に焦点をあて、それらが根本的に違う構造を持っており、英訳に際しては英語の構文に当てはめて考えなければならないと言う話でした。<br />
<br />
今回はそこからもう一歩踏み込んで、日本語の語尾の処理について説明します。翻訳文が nativeな表現にならない（J-Eng となる）理由のひとつに、この語尾の処理が不適切であることがあげられるためです。<br />
<br />
日本語の語尾の基本形は「...である」で、気がつきにくいかもしれませんが、多くの文が「...である」またはその変形で終了しています。さらに、医学日本語では主体が多くの場合"我々"ですから、主語が表記されない「...（名詞型）する」も基本的な形となっています。<br />
<br />
こうした語尾に来る動詞の処理を誤るとどうなるか。これらの動詞の使用例としてプロトタイプの原稿をみてみましょう。<br />
<br />
（例1） （目的）「本邦では...を検証した報告が<strong>少ない</strong>ため、本試験では...を<strong>検討した</strong>。また、薬剤Xの有効性と安全性を<strong>評価する</strong>とともに、背景因子を検討することにより、別の治療が必要となる予測因子についても<strong>検討した</strong>。」<br />
（例2） （方法）「患者250例をプロスペクティブに<strong>組入れ</strong>、QOLスコアにより自覚症状を<strong>評価した</strong>。投与前の状態に基づき対象患者をA群とB群に<strong>層別し</strong>、...を<strong>評価した</strong>。また、A群における症状改善例、効果不十分例における背景因子を<strong>比較検討した</strong>。<br />
<br />
Bold部が訳文の動詞となる日本語です。字面訳をすると、次に示すように動詞が be（である）となる文か主語が We となる文となります。<br />
<br />
（例3） Since <strong>there are </strong>few reports..., <strong>we investigated </strong>the prevalence of...&nbsp; <strong>We evaluated </strong>the efficacy and safety of DRUG-X <strong>and investigated </strong>demographic factors of patients and prognostic factors for... <br />
（例4） <strong>We prospectively enrolled </strong>250 patients with... in this study <strong>and assessed </strong>subjective symptoms based on QOL scores.&nbsp; <strong>We stratified </strong>the patients into Groups A and B <strong>and evaluated</strong> their... <strong>We compared </strong>clinical characteristics of responders and non-responders in Group A for...<br />
<br />
元々、日本語は「名詞＋する／なる」が基本ですから、英文法でいう他動詞が少なく、同じ末尾が繰り返し使われることになりますが、日本語では同じ表現の繰り返しを気にしません。<br />
そうして訳された英語は、There と We が "頻出する" 文体となります。there や we の文はもちろんごく普通にあります。が、それらの多用は native 表現ではありません。<br />
<br />
英語という言語は文の展開で読ませるものです。英語の主語にはテーマを示すという役割がありますから、テーマではない there や we が連続する文はマズイのです。また、there や we では、本来主語にくるべき語彙も述部に書かれるため、文構造が複雑となり理解しがたいものとなりがちです。<br />
手元に文献があればみてください。英語は同じ表現の繰り返しを嫌いますから、主語は一文ずつ違っており、テーマが変化していくことがみてとれるはずです。<br />
<br />
では、どのように主語の選択という問題に対処すればよいのでしょうか。<br />
言うまでもなく、基本は常日頃基本文型をストックしておくことです。訳にあたってはじめて文型を探していては時間が足りなくなります。まめに主語と動詞の組み合わせを収集しておき、その記憶の箱から適切な表現を選び出すのです。様々な表現形を豊富に収集しておくことが、native な表現で書くことをより早く可能にしてくれます。<br />
<br />
例えば、以下のように、文献から主語と動詞の組み合わせを集めておくのです。<br />
<br />
（例5） Background: A randomized, double-blind, multicenter <strong>study was conducted </strong>to compare the anti-tumor activity of letrozole vs. tamoxifen in postmenopausal women with ER and/or PgR positive primary untreated breast cancer.&nbsp; Patients and methods: <strong>Three hundred thirty-seven post-menopausal women </strong>with ER and/or PgR positive primary untreated breast cancer <strong>were randomly assigned </strong>once daily treatment with either letrozole 2.5 mg or tamoxifen 20 mg for four months.&nbsp; At baseline <strong>none of the patients were considered to be </strong>candidates for breast-conserving surgery (BCS) and 14% of the patients were considered inoperable.&nbsp; <strong>The primary endpoint was to compare </strong>overall objective response (CR + PR) determined by clinical palpation.&nbsp; <strong>Secondary endpoints included </strong>overall objective response on ultrasound and mammography and the number of patients who qualified for BCS.　<em>Annals of Oncology</em> 12:1527-1532,2001.&nbsp; <br />
<br />
もうひとつの主語選択のアプローチは、サイトから文型を見つけることです。<br />
もういちど例1の文に戻ってみましょう。冒頭の「本邦では...少ないため」のセンテンスで、there are を避けるため他の表現がないかを探してみます。主語をfew reportsと考えることができれば（それくらいのセンスは必要です）、"few reports have"で検索してみます（動詞をみつけたいので完了形を入力）。すると、以下のような表現がありました。<br />
<br />
・Only <strong>a few reports have discussed</strong> MRI findings of...<br />
・<strong>A few reports have described </strong>endoscopic repair of...<br />
・<strong>Few reports have addressed </strong>the management of...<br />
・<strong>Few reports have evaluated </strong>the relationship between...<br />
・<strong>Few reports have shown </strong>detailed methods of...<br />
・<strong>Few reports have verified </strong>the effect of... <br />
<br />
これらの中から適切と思う組み合わせを選択すれば能動形の文章とすることができます。<br />
<br />
続く文、「本試験では...を検討した。また、薬剤Xの有効性と安全性を評価するとともに、背景因子を検討することにより、別の治療が必要となる予測因子についても検討した。」は、字面訳をすると例3のような文章となりますから、"evaluated" と "efficacy and safety" の組み合わせからサイト検索し、the objective of this study was を見つけ、The primary objective of this study was to investigate the prevalence of...&nbsp; とすると続く文も書きやすくなります。そして、In addition, the efficacy and safety of DRUG-X were evaluated, and demographic factors of responders and non-responders were scrutinized to identify prognostic factors for... などとすれば、今回のテーマ、we を多用しない文章とすることができます。<br />
<br />
<strong>We prospectively enrolled </strong>250 patients with... も "prospectively""enrolled""patients" の組合せで検索すると以下のような文型が得られます。<br />
<br />
・Consecutive <strong>patients with </strong>IBD were <strong>prospectively enrolled </strong>into a study of...<br />
・Sixty-two <strong>patients with </strong>known ulcerative colitis <strong>were enrolled </strong>into a <strong>prospective </strong>cohort study&nbsp; <br />
・<strong>Patients with </strong>MI were <strong>prospectively </strong>screened and <strong>enrolled </strong>from 19 US centers<br />
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今回のポイントは「である」、「層別し、...を評価した」とあっても there や we ではない主語で表現できないか考えること。テーマとなる語彙を主語としてサイト検索を行い、頻出する表現を定型的ととらえてnative表現に倣うと"らしい"翻訳をすることができるようになります。</p>
<p>日本語の主語は非人称の"である"か、人を主語とした動詞がメインですが、英語では非人称の名詞も動作を表す他動詞をとれるのです。つまり英語の主語はバラエティに富んでいるのです。それらを集めて、蓄積しておくようにしましょう。</p>]]>
        
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