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ASCA

 第7回目:Backgroundの表現(2)

 

今月は、Brief background informationの続き、副題は「情報の省略」です。
 

3) Chaperone-mediated autophagy controls the degradation of selective cytosolic proteins and may protect neurons against degeneration. In a neuronal cell line, we found that ---.
                                            (Sci 09-0102; 323:124)
「シャペロンを介したオートファジーは、細胞質における特定の蛋白質の分解を調節し(ており)、神経細胞の変性を防いでいると考えられる。」言い換えれば「--- 防いでいるのではないか。」という問いがあって、(この問題はまだ答えられていないそれをはっきりさせるために実験をして) 、「that ---」を発見したのです。類推できることは省いてあります。 may が使ってあり、いわゆる ’hypothesis’ と考えられますね。(「英医論作」Chapter 1, Lesson 4)。別の形のhypothesisは、次の例でしょう。

4) Because bacteriophages generally parasitize only closely related bacteria, it is assumed that phage-mediated genetic exchange occurs primarily within species. Here we report that ---.
                                            (Sci 09-0102; 323:139)

1) ? 4)の文型は、Structured AbstractBackground(Objective/Aim)にも使えますよ。
 

5) Histone deacetylase 4 (HDAC4) shuttles between the nucleus and cytoplasm and serves as a nuclear co-repressor that regulates bone and muscle development. We report that HDAC4 regulates the survival of retinal neurons in the mouse in normal and pathological conditions.
                                            (Sci 09-0102; 323:124)

「ヒストン脱アセチル化酵素4(histone deacetylase 4: HDAC4)は、細胞核と細胞質の間を行き来し、骨と筋肉の発達を制御する核コリプレッサー(補助抑制因子)として働く。われわれは今回、正常および病的状態のマウスにおいて、HDAC4が網膜神経細胞の生存を調節することを報告する。」HDAC4の新しい機能を見つけたのです。このthat 以下の内容が、結果・結論=問いの答と考えればいいのですから、問いは、“whether HDAC4 regulates the survival of retinal neurons in ---”です。これを決定する(determine)ために研究したわけです。問いを隠す・省く(Note 2)書き方ですね。いや、これが一番多いようです。
 

Structured Abstract Background (Objective/Aim) には、問の答、すなわち問いの是非を決めるために、判定するために、という‘to determine whether ---’を使えば良いことがわかります。ゆめゆめ、「調べるため」とは言わないようにしましょう。調べるのは、目的ではなく方法です。犯人(原因・理由)を明らかにするために、調べます。