第1回 Scitech PR PowWow セミナー レポート
Scitech PAPセミナー
第1回 Scitech PR PowWow (サイテックピーアールパウワウ):大学、研究機関のための国際広報セミナー
| 日時 | 2011年7月8日 (金) 14:00-18:00 |
| 場所 | 外国人記者クラブ 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目7-1 |
| 内容 | 14:00-15:00 「国際広報の現状と今後の課題」 |
| 大学や研究機関が国際社会におけるプレゼンスを高めるために、その研究業績を積極的に世界に向けて発信していくこと、すなわち国際広報の重要性は年々高まっています。 しかし研究の現場や事務レベルではなかなか手が回らない、何から手をつけてよいかわからない、そういった悩みの声が聞かれます。 そこで、このScitech PR PowWowでは、国際広報の現場で先進的な活動を続けている二人の講師を迎え、経験談をまじえながら国際広報の実際の取組みやその効果について語っていただきました。 |
ハイライト
国際広報の現状と今後の課題
―国際広報を行う上での出版、イベント、メディア対応を理研における実践例から考える
独立行政法人理化学研究所
広報室 主査 岡田小枝子氏
最近、世界最速を達成したスーパーコンピュータ「京」の研究成果が記憶に新しい理化学研究所(以下「理研」)。数々の業績を生み出す理研がいかにして世界に情報発信を行っているか、岡田氏に話を聞いた。
理研では野依良治理事長の提唱する「野依イニシアチブ」に基づき、「見える理研」を達成すべく広報活動を行っている。岡田氏はまず、スタートの活動として、国際広報の体制づくり、国内広報との相違点やターゲットの検討、現状の認知度の分析を行ったことを説明し、「知名度をマックスプランク研究所(独)並みに上げる」ことを目標に設定して取り組みを進めてきたと述べた。

具体的なアクションとして、まずウェブサイトの活用を挙げた。理研では本体のウェブサイトに加えて、RIKEN RESEARCHとLife at RIKENというそれぞれターゲットの異なるサイトを設けている。これらのサイトを利用してメルマガ等も展開している。また、こうした媒体に掲載する記事の制作体制、そして記事に対する海外からのフィードバックについても紹介した。
さらに、プレスリリースの配信についても説明。岡田氏自身の体験談から、海外記者への個別な働きかけなどメディア露出への取り組みを積極的に行ってきた、と述べた。
最後に、欧米などの海外研究機関の取り組みを紹介。今後の理研の国際広報について「効果の検証も行いながら、さらに活動を進めていくべき」と締めくくった。
ハイライト
国際広報の具体案と成功事例について
-Global Visibilityを持たせる鍵となる国際広報の実績-
エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)
教授 アダルシュ・サンドゥー氏

アダルシュ・サンドゥー氏は2010年10月に開設されたばかりの豊橋技術科学大学エレクトロニクス先端融合研究所 (EIIRIS)で教授を務める現役の研究者。一方で日本外国特派員協会の正会員というジャーナリストとしての顔も併せ持つ同氏に、大学の現場から発信する国際広報について話を聞いた。
サンドゥー氏はナノテクノロジーを中心とした研究を行っており、その研究成果が新聞等に掲載されることで大きな反響を呼ぶことを直に感じてきた。加えてライターとして様々な媒体に記事を掲載した経験から、国際広報が科学研究者にとって重要な意味をもつこと、そして日本ではその意識が残念ながらまだまだ低いことを実感している。
この国際広報のキーになる概念として、サンドゥー氏は「visibility」という言葉を挙げた。これは難しい概念ではなく、人間が古来から行ってきた「私はここにいる」ことを見えるようにする、ということで、これがなされなければどんなに素晴らしい研究でも眼に触れることなく終わってしまい、研究者にとって大きな悲劇をもたらすことになるとのこと。
サンドゥー氏はこの「visibility」を実現するために、豊橋技術科学大学でのウェブ媒体による「Toyohashi University of Technology e-Newsletter」などを例にあげながら、積極的に活動してきたと説明した。また、今後は動画媒体などの活用も重要なポイントになると述べた。
続いて、豊橋技術科学大学が行っているプレスリリース配信を紹介し、ターゲットの絞り込みや、追跡結果などの活用について説明した。こうした取り組みの結果、大学ランキングでは競合校に水をあけることができ、そのことが広報活動にもさらに有利に働いていると述べた。
まとめとして、サンドゥー氏はこうした取り組みに一番重要であるのは情熱(Passion)であると強調した。今回の参加者にはぜひ熱い気持ちをもって国際広報に取り組んでほしいと述べ、講義を締めくくった。
質疑では、プレスリリースの質の確保や今後のコンテンツなど、熱心な議論がかわされた。
交流会
2本のセミナー後、参加者に講師を交え、立食形式での交流会が催された。日頃、広報担当者間でこのように直接話をする機会はなかなかないとのことで、それぞれ熱心に情報交換を行っていた。定刻を過ぎても話が尽きないほどの盛り上がりを見せ、盛会のうちにScitech PR PowWowは閉会となった。
報告者:ScitechPAP事務局 編集担当
早川威士
事務局より |
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